第5世代通信規格をEDAに

TOKYO2020に向けて――。あらゆるモノがネットにつながる「IoT」や自動運転車の発展、ずば抜けて高精細画質の8K放送への期待が高まっている。

基盤として超高速で大容量、低遅延、多数端末の同時接続を実現する5G(第5世代移動通信システム)の研究開発が進められている。

無線ネットワークは基地局とともに移動体/端末デバイスの5G対応が欠かせない。そして電子機器などの設計を自動化するEDA(Electronic Design Automation)ツールが、あらゆる場面で活用されることとなる。

無線すなわち電磁波を利用する回路設計には各種計測機器も重要であり、ヒューレットパッカードのガレージ、そして日本ではYHPの系譜をもつキーサイト・テクノロジーはきょう、計測器との連携が容易なEDA環境を実現するSystemVue エレクトロニック・システム・レベル(ESL)ソフトウェアの最新リリースを発表。独自機能を備える「SystemVue 2017」が業界初の5G設計と検証プロセスを提供するとした。

それは他の市販ツールとは異なり、位相シフタやアッテネータのSパラメータ、アンプやミキサのXパラメータ/Sysパラメータを用いてRFブロックの影響を考慮可能。影響を受けたスプリアス相互変調信号を含む放射パターンを確認でき、予定外の放射パターンによる他のアンテナへの干渉を回避し、FCCスペクトル放射ルールの準拠に役立つという。

同社のEDAソリューションでは、設計者は5G準拠のリファレンスデザインを作成し、100GHzまでのミリ波チャネルでハイブリッドRFデジタルビームフォーミングを検証できる。VerizonおよびKT 5G無線規格、RFフェーズドアレイ、マルチアンテナダイバーシティビームフォーミングもサポートしていて、プレ5Gおよび5G-NR規格に準拠した開発や5G市場向けの効率的な立ち上げが可能とのことだ。