AIを活用した睡眠習慣改善Webアプリを開発

NECソリューションイノベータは、人工知能(AI)を活用した睡眠習慣の改善を支援するWebアプリを開発した。利用者が記録した睡眠状況や生活習慣に応じて、睡眠習慣の改善につながるアドバイスを提示する。

今回開発したWebアプリでは、利用者が記録する睡眠状況や生活習慣の情報に基づいて、睡眠習慣の改善に向けた課題と対策を提示する。この対策への取り組み状況を収集して睡眠状況が改善した結果をAIを用いて分析することで、課題と対策の適格性を向上させる。

また、利用者が取り組んでいる対策の内容に応じて、睡眠衛生に関するコラムを提示。睡眠衛生とは、質の良い睡眠を取るために推奨される行動・環境の調整技法のこと。このアプリによる課題と対策の提示をWeb、メールのみを使って行った場合、臨床医が対面で実施する場合と同程度の睡眠改善効果がある可能性が示されている(2016年10月の日本認知・行動療法学会)。

睡眠習慣改善アドバイスで提示された対策に取り組んだ際の睡眠状況の記録、取り組みの達成状況や利用者の睡眠の健康度などを専門家が評価し、コメントを提供。また、課題にうまく取り組めない利用者に向けたアドバイスも行う。

NECソリューションイノベータでは、アプリの効果を検証するため、個人の利用者を対象に「睡眠習慣改善プログラム」の実証実験を2017年10月から開始する。このプログラムは、不眠のための認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy for Insomnia、以下CBT-I)に基づき、CBT-Iの専門家である早稲田大学人間科学学術院 岡島義 助教との共同研究により開発されたもの。

同社は2016年3月にはCBT-Iの基本である睡眠状況の記録と、快眠に関する学習情報の提供を行うスマートフォンアプリ「睡眠日誌」を無償で公開。これまでに10,000人を超えるユーザーが利用しているという。