コンパクトが開催コンセプトのTOKYO2020。夏に競技が行われることに一抹の不安が残っている。東京に限らず、都市部では熱帯夜に代表されるヒートアイランド現象、ビル風、都市型ゲリラ豪雨など都市特有の局地現象(都市気象)が発生する。
そのような局地現象を予測するためには、建物周辺の気流を表現できる1m〜100m程度の解像度のシミュレーションを行うことが必要だという。ウェザーニューズは、2020年を見据えて、都市部で起こる局地現象を高精度で捉える都市気象予測モデルの実用化を目指し、今月1日より筑波大学計算科学研究センター日下博幸教授と都市気象に関する共同研究を開始。13日に気象予測モデルの精度を検証するために観測を実施した。
全4回の観測を予定しているうちの端緒である、今回、つくば市内の4か所で気象観測ドローン、観測気球、地上観測機器の計11台を用いて、地表から上層にかけての気象データを測定。複数台のドローン気象観測は国内ではこれまでほとんど例がない――観測センサーを搭載した複数台の独自気象観測ドローンを同時に飛行させ、風向/風速・気温・湿度・気圧を観測した結果、予測モデルの精度検証に必要な空間的な気象データを取得することができたという。
2020年夏の実用化を目指して、筑波大学と予測モデルの開発と観測データによる検証を繰り返し、都市部の気象を数十メートル単位で予測できる次世代のモデルを構築していく。同社は、日本代表チームをサポートしていて、同モデルを、東京都内のビル街を走るマラソンやトライアスロン、自転車競技で必要とされる都心を吹き抜けるビル風の予測に利用していく構えだ。