NEC、全国JAの共通システム基盤をクラウドで構築
NECは、これまで各都道府県のJAが個別に構築・運用していた会計や購買などの共通化可能なシステムをクラウド上に新たに構築し、標準サービスとして提供。また、各都道府県のJA独自システムを運用できる環境もクラウド上に構築した。さらに、クラウドへの移行が難しいシステムはハウジング環境へ移設し、ITシステムを統合した。
システム基盤はすでに稼働中で、JA鳥取県中央会などが運用を開始している。今後、JA全中は各都道府県のJAに対してシステム統合を推奨するとともに、同基盤が提供する新サービスのメニューを拡充することで、各地域のJAの活動を支援する予定。
また、事業継続性向上のため「Disaster Recovery(以下、DR)」環境も構築。システムを集約した上でDR対策を強化することで、JAの事業を支える継続性の高いシステム基盤を提供した。
クラウドの導入によって、各都道府県のJAが重複して行っていたシステムの運用・保守が不要となり、大幅なコスト削減が可能となる見込み。また、標準サービスを利用することで業務の標準化が進み、JA全中が各都道府県のJAの活動を支援する新サービスを拡充・提供していくことでグループ全体の統制が期待できるという。
DR環境は、平常時に利用するメインサイト以外にバックアップサイトを構築。東西のデータセンター利用により事業継続性の向上を図った。
JA全中は、独立的な総合指導機関として全国のJAの営農や経営支援の他、農業政策の企画・提案・推進などに取り組んでいる。最近は「農業者の所得増大」「農業生産の拡大」「地域の活性化」を3つの基本目標とする「創造的自己改革への挑戦」に注力し、JAグループの事業価値向上に努めており、JAグループの日々の業務を支えるITシステムも本改革の対象の一つになっていた。