凸版印刷、1枚約5円のICタグで商品トレーサビリティを管理

凸版印刷は、流通店舗向けに商品情報を管理する低価格ICタグ「SMARTICS-U」を開発。従来提供しているクラウド型統合ID認証サービス「ID-NEX」と組み合わせた商品トレーサビリティ管理サービスとして、2017年9月中旬に提供を開始する。

SMARTICS-Uは1枚約5円の低価格ICタグ。クラウド型統合ID認証サービスであるID-NEXと組み合わせることで、店頭での在庫管理、個品レベルでの商品トレーサビリティ、棚卸し作業の効率化など商品のライフサイクル全体を管理できる。また、循環資材管理や真贋判定、顧客満足度向上などのアプリケーションも標準装備し、クラウドでサービス提供を行うため、初期コストや導入負荷を低減する。

ID-NEXは、商品に紐づいた顧客向けキャンペーン管理や店頭での在庫管理、個品レベルでの商品トレーサビリティ、棚卸し作業の効率化など流通店舗向けの機能をパッケージ化したもの。ID管理にはアマゾン・ウェブ・サービスが提供するマネージドサービスを採用しており、多くのIDを必要としない小規模案件から数億単位でのIDが必要な大規模案件まで幅広い対応が可能。また、ID を読み取ることでサーバに蓄積されたデータは、ビッグデータとして分析することで顧客のニーズに合ったサービスの展開を可能にする。

IoT(モノのインターネット)やロボティクスへの注目が高まる現在、生産現場や物流業界などにおいて、ICタグなどICT技術を用いた生産・供給活動の自動化・最適化への動きが活発化している。

凸版印刷は2003年からICタグ事業に着手。ICタグを用いた物品管理や資産管理ソリューション、ブランドプロテクション向けの真贋判定ソリューションなど高付加価値ICタグの開発を展開している。また、2013年から中国・上海にICタグのR&D拠点を設立し、現地での製造ネットワークやグローバルな情報収集による媒体開発を進めてきた。

SMARTICS-Uの販売価格は5円台(1億枚ロットの場合)、ID-NEXは初期費用が約100万円から、月額費用が9.9万円からとなっている。