防災行政無線の多言語対応―茨城県常総市で実証実験

日立国際電気は、防災行政無線システムの機能を利用した外国人などの災害時要支援者向けの情報伝達サービスの実証実験を茨城県常総市で2017年12月から開始する。防災行政無線の多言語対応に取り組むことで、多言語化された音声データや文字情報の提供を可能にする。

今回の実証実験では、戸別受信機や屋外拡声装置、スマートフォンなどの情報端末、TV受像機を通じて多言語化された音声データや文字情報を提供する。

例えば、各家庭や避難所に設置される戸別受信機、屋外拡声装置から、多言語化された通報内容を音声で聞くことができる。また、文字表示器にあらかじめ設定した言語による通報内容をテロップで表示させる。

また、常総市が運用しているポータルサイトから、スマートフォンなどの情報端末へ日本語や英語、ポルトガル語、スペイン語で次のような情報や機能を利用できる。

・防災行政無線:防災無線からの通報内容をあらかじめ設定した言語で確認できる
・常総市への連絡:災害情報などを常総市側に送信する
・災害情報の閲覧:周知が必要な災害情報を住民が閲覧できる
・避難所施設情報:近隣の避難所の位置や開設状況を確認できる

防災行政無線システムから住民宅のTV制御が可能となり、スマートフォンなどの情報端末を所持していない高齢者などに対しても、情報伝達ができる。防災行政無線の親局装置より緊急通報を行った際、情報伝送装置によりTVを自動的に起動し、あらかじめ設定している言語による通報内容をTV画面に文字表示させ、音声でも再生することも可能。

日立国際では今後、全国自治体にも水平展開を行い、在日・訪日外国人が言葉の壁を感じることなく、災害に関する情報を理解・把握することができる社会の実現に貢献を目指すとしている。