今回発表した実証実験は、大型商業施設内の一部店舗で、あらかじめ自身の口座情報を登録した「スマホ決済アプリ」を用いて銀行口座と連動したスマホ決済を実施し、その実行性を検証する。
対応している銀行口座はみずほ銀行、三井住友銀行、および地方銀行10行(秋田銀行、岩手銀行、足利銀行、千葉興業銀行、北越銀行、福井銀行、京都銀行、鳥取銀行、西日本シティ銀行、愛知銀行)の計12行。西日本シティ銀行では行員を対象とし、8月1日から行員食堂にて同行口座を利用したスマホ決済実証実験を先行実施している。福井銀行でも9月から同様の実証実験を行う予定。
実証実験では、利用者がパスワードの入力に代わり自身の生体情報(顔、声紋、指紋等)を基に認証を行うことができる「FIDO」技術の採用に向け、その商用化に向けた有効性を検証する。
FIDO技術とは、パスワードなしでサービスを使える新しい認証。素早いオンライン認証を意味する英語「Fast IDentity Online」の略。多要素認証というパスワードに代わる新しい認証技術の1つで、主に生体認証などに利用される。
利用者が登録する口座情報は、NTTデータの決済プラットフォームでトークン化(機密データを乱数により生成する別の文字列に置き換える)し、クレジット業界におけるグローバルセキュリティ基準「PCI DSS」に準拠した環境下で管理する。利用者のスマホアプリ上には口座情報は保有させず、決済時もトークンを利用することでセキュアな取引を可能にする。
利用者は、クレジットカードを保有していなくても、銀行口座さえあればスマホ決済を利用できる。金融機関および加盟店は、利用者のキャッシュレスおよび素早い認証の推進により、スムーズな決済オペレーションが可能になる。スマホ決済サービスは、2018年度上期に提供開始する予定。