小規模装置でもIoT化を実現

あらゆるモノがネットにつながる「IoT」。その展開は製造業で最も進むとみられている。現場には大小、新旧さまざまな設備機器があり、FAの進化形、いわゆるスマートファクトリの具現化は、難儀な道でもある。

そこで、日本発オープンネットワークを推進するCC-Link協会は、通信の互換性、多様な接続製品に加えて、システムやアプリケーション構築時の飛躍的な生産性アップを目指して、国際標準のIECなど各種規格を取得――。「CC-Link IE フィールドネットワーク Basic」では、汎用Ethernetによる小規模装置でも通信可能なFAネットワークの道を開いた。

そしてきょう、図研エルミックは、上記ネットワークに準拠したプロトコルスタックミドルウェア、 「Ze-PRO CC-Link IEF Basic」の受注を開始。従来ネットワーク化が困難だった機器等でも、これを実装するだけでFAネットワークへの統合が可能になり、生産現場でのシステム連携やIoT化を容易に実現できるという。

同ミドルウェアは、OSやCPUに依存しない構造で、依存部分はラッパー関数およびマクロ定義で切り替えができる。μITRON用のサンプルコードも備えていて、スタックのメイン処理は、アプリケーション層で実現しているためハードウェアに依存せず、専用のインターフェースボードが不要。Ethernetポート搭載のパソコンやターゲットボードで動作する。

TCP/IPにも非依存であり、BSD準拠のソケットインターフェースで通信処理を実現できる。図研エルミックのTCP/IPプロトコルスタック「KASAGO IPv6/v4」との親和性も高く、両者の併用で、CC-Link IE フィールドネットワーク Basic規格を、より効率的に導入できるという。「Ze-PRO CC-Link IEF Basic」は、今月29日大阪で開催の「産業オープンネット展2017」で披露される。