AIを活用したルームエアコンを発売――三菱電機

三菱電機は、ルームエアコン「霧ヶ峰」の新商品として人工知能(AI)で、少し先の暑い・寒いと感じる体感温度を予測する赤外線センサー「ムーブアイ mirA.I.(ミライ)」を搭載する「FZ シリーズ」「Z シリーズ」計18機種を2017年11月上旬から販売する。

新開発のAI技術を活かした赤外線センサーであるムーブアイ mirA.I.は、床や壁からの輻射熱、日射熱など部屋の温度状況を360度センシングし、部屋にいる人の現在の体感温度データを取得する。次に、取得した様々なデータを時系列に分析することで、住まいによって異なる住宅性能(室温に影響する性能)を判定。さらに、外気温・日射熱が体感温度に与える影響を分析し、少し先の体感温度を予測する。

取得したデータの分析と予測を先回りして運転に反映し、少し先の体感温度変化を抑制する「先読み運転」を行い、快適性と省エネ性の向上を可能にする。分析結果は継続して更新するので、分析を重ねるごとに予測精度が向上する。

また、2種類のDCモーター結線を持つ「Active Switch Compressor(アクティブスイッチコンプレッサー)」と、モーター結線を自動で切り替えるインバーター回路を開発した。圧縮機を高回転数で駆動し、部屋を素早く快適な温度にするハイパワー運転時だけでなく、低回転数で駆動する安定運転時の両方で高効率運転を実現した。

人の手先や足先など細部の温度変化まで0.1度単位で測り、人の温度の感じ方を検知する。さらに、エアコンからの距離、身長などに基づいて大人か子どもかを見分け、それぞれの体格や姿勢、温度の感じ方にあわせて気流の角度や風量を調節するという。

その他、ムーブアイmirA.I.が体感温度を判断し、快適な体感温度を維持するように送風運転と冷房運転を自動で切り替える。送風運転時には、体感温度に合わせて「パーソナルツインフロー」の片側ファンを停止し、もう片側のファンだけで風を送ることで6.3キロワットクラスでは最小の17ワットで運転する。販売価格はオープン価格となっている。