情報通信
ナノ構造で記録密度の限界を突破
あらゆるモノがネットにつながる。世界のデジタルデータ量は2020年、40兆ギガバイト(40ゼタバイト)に達するとの予測がある。
いま記録媒体として、高速の半導体チップ(フラッシュメモリなど)が脚光を浴びているが、主流は比較的低コストかつ大容量デバイスを実現できる磁性体である。その理由のひとつに、磁石はN・S極を反転させるのに必要なエネルギが高く、状態保持の安定性が高いことが挙げられる。長期保存されることも多い、情報量が爆発的に増える時代に合わせて、消費電力が少なく記録容量の大きい小型デバイスを実現していかねばならないが、磁気記録の高密度化が進むと、単一ビット(1/8バイト)あたりの磁性体原子の数が減少し、上記反転エネルギが低下、安定な記録ができなくなる問題――大きな壁が未来に立ちはだかっている。が、光明もみえている。 ...