日印共同で小規模発電ネットワークを実証

現在、インドは経済発展に伴い、電力需要が年平均4.9%のペースで拡大している。'25年までにEUを上回り、中国と米国に次ぐ電力消費大国になると予測されている。

慢性的に不足している電力の供給は不安定な状況にあり、同国に生産設備を有する企業は、安定操業に必要な電力の安定供給を強く求めている。同国政府は再生可能エネルギーの導入を促進――5年以内に175GW(太陽光・熱発電100GW、風力60GW、バイオマス10GW、小水力5GW)を導入する目標を掲げているという。

国立新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、日印共同の「デリー・ムンバイ間産業大動脈構想」のもと、日立製作所、日立システムズ、伊藤忠商事とともに、デリー・ムンバイ産業大動脈開発公社(DMICDC)と同国ラジャスタン州ニムラナ工業団地にて、太陽光発電システムおよび複数のディーゼル発電機を連携したマイクログリッドシステムを構築。ディーゼル燃料の消費量を抑制しつつ、安定した電力を供給するシステムの実証を開始した。

通常都市の遠隔地に作られる大規模の集中発電所に対して、小規模の発電施設を需要地域内で格子状につないで電力を供給するマイクログリッドシステムにおいて、NEDOは今回、実証システムの試運転をすでに完了していて、上記工業団地内のMIKUNI INDIA PRIVATE LIMITEDに安定した電力を供給するシステム実証を2年間実施し、日本のマイクログリッド技術の有効性を実証し、インドでの普及を目指す。

同国の厳しい日射環境下において、日本の薄膜太陽電池パネルが設計通りの性能を発揮し、安定した電力を供給できることを確認するため、同工業団地内に5MW規模の薄膜太陽電池の太陽光発電設備を設け、その発電性能等の実証試験を'15年7月から行っているとのことだ。