ファクトリーオートメーション、IoTで「匠の技」を再現

製造現場の環境が大きく変化している。近年たとえば製品の高機能化やデザインの多様化、組み付けの高精度化や生産性の向上など、様々な課題を解決しつつ生産ラインを短期間で立ち上げ、大量生産することが求められている。

解決策として人工知能(AI)やIoT(Internet of Things)、ロボティクス等を取り入れた新たな自動化ニーズが高まっている。実際の製造現場では、それらによる具体的な生産性の向上や高度化は進んでいないという。オムロン株式会社は、もの作りの生産性と品質を飛躍的に向上させるため、制御と情報を融合し製造現場のインテリジェントを加速させる、IoTサービス基盤「i-BELT」を今年10月に立ち上げる。

現場において、誰もが簡単にIoT技術を活用し、新たなもの作りに取り組めるサービス基盤になる。i-BELTは、業界初のAI搭載マシンオートメーションコントローラーを軸に、オムロンの幅広い制御機器と、パートナー企業各社が取り扱う制御機器からのデータを、製造現場レベルで容易に収集・分析し活用できるようにする。

付加価値の高いもの作りを実現するコンセプト、「i-Automation!」を掲げるオムロンは、i-BELTを通じて、設備や工程の予兆をリアルタイムに検出し統合的に分析できる環境を提供。各種センサーから収集したデータを蓄積し、分析した結果を基に、制御アルゴリズムとして機器の制御に反映することで、これまで熟練技能者だけが持っていた「匠の技」をオートメーションで再現する。

制御と情報の融合では、圧力や温湿度、流量など様々なセンシングデータとアクチュエータの情報活用が要となる。そこで同社は、i-BELTを更に進化させるため、設備や工程の制御に必要不可欠な制御機器を扱う国内の制御機器メーカー各社と相互に協力し合えるオープンなパートナーシップを構築していくという。