ALS治療薬の開発につながる可能性あり

ALS治療薬の開発につながる可能性あり
全身の筋力が低下し、主に呼吸器不全で死に至る難病――筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、今に至るまで治療法がない。アイスバケツチャレンジというキャンペーンが世界規模で行われたり、国際ALSデーが設定されたりして、近年社会的注目度が特に高まっている。
ALSでは脳と脊髄の運動ニューロン(神経細胞)が選択的に死滅するため、全身の筋肉が麻痺する深刻な病状を呈す。これまでの研究で主因となる約20種類の遺伝子が同定されているが、それら異なる機能を有する多くの遺伝子の変異が共通して、運動ニューロン死を誘導する分子機構は不明だったという。 東京農工大学の泉川 桂一 特任助教、石川 英明 特任助教、高橋 信弘 教授、首都大学東京の礒辺 俊明 特任教授らのグループは、ALSの原因となるTDP-43が標的とするミトコンドリアRNA(リボ核酸)を特定するとともに、その結合がミトコンドリアDNA(デオキシリボ核酸)から合成されるRNA産物の形成制御を通じて、エ...

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