南方熊楠ゆかりの「今昔物語」を電子化

近代以前の歴史的典籍(古典籍)は、紙そのものの劣化や、災害による消失リスクが大きな課題となっている。その画像を電子化し、見ため原本と同程度の解像度で保存していくことが求められている。

人間文化研究機構 国文学研究資料館(国文研)は、「日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築計画」(歴史的典籍NW事業)にて、古典籍約30万点の画像データベースの構築を行っている。が、高い専門性と慎重さを要する電子化作業の効率は悪い。古典籍は各地に点在し門外不出であることが多いため、現場で撮影ブースを設営等、準備と実際の作業に時間を要している。

そこで国文研と株式会社PFUは、歴史的典籍NW事業の一環として、古典籍に特化したブックスキャナの実証実験を行った。同じく事業の一環で、奈良女子大学の研究グループがその存在を確認していた――粘菌を研究し、諸外国語や考古学にも精通した民俗学者であり、博物学者であった南方熊楠が「田辺抜書」を作成する際に利用した――「今昔物語集」をスキャンした。

場所は、昨年10月に世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に追加登録された、弁慶と義経ゆかりの闘鶏神社。社内に可搬型ブックスキャナの試作機を持ち込み、同社所蔵の今昔物語集の写本5冊、計211イメージを約2時間で電子化した。結果、それらを傷めることもなく、その電子化品質として十分な24ビットフルカラー、400dpiの画像データを得られたという。

国文研とPFUは、今後、今回用いた可搬型ブックスキャナのさらなる改良をおこない、歴史的典籍NW事業への参加大学や、日本各地の古典籍所蔵機関、個人所有者の協力のもと、実地評価を進めていく。とともに、契約書や、記念誌など綴じ冊子をはじめとした様々な用途や業務への適応範囲を拡大し、2018年度、PFUからの提供開始を目標に開発を進めていく。

鬪雞神社で、可搬型ブックスキャナを用いた歴史的典籍の電子化実証実験を実施

カテゴリー: 情報通信   

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