クライアント仮想化市場は群雄割拠? IDCが主要ベンダー分析を公表

IDC Japan株式会社は、2016年の国内クライアント仮想化に関する各分野の主要ベンダーの競合状況を分析し、その結果を公表した。対象市場分野は「国内シンクライアント専用端末市場」「国内クライアント仮想化ソフトウェア市場」「国内クライアント仮想化ソリューション(オンプレミス)市場」など。

2016年の国内クライアント仮想化ソリューション(オンプレミス)市場の売上額は5,166億円で前年比27.3%増となった。ベンダー別では上位から富士通、NEC、日立製作所、日本ヒューレット・パッカード(HPE)、IBM、デルの順となった。

国内クライアント仮想化サービス市場売上額は464億円で前年比41.2%増。ベンダー別では、上位から富士通、NTTデータ、新日鉄住金ソリューションズ(NSSOL)、日立製作所、NTTコミュニケーションズ、ソフトバンクの順だった。

国内モバイル仮想化ソリューション市場の売上額は164億円、前年比39.4%増。ベンダー別では、上位から富士通、e-Janネットワークス、NTTアイティ、スプラッシュトップ、アールサポートの順となった。

国内シンクライアント専用端末市場のベンダーシェアは1位から順に、日本HP、日立製作所、富士通、デル、レノボとなった。総出荷台数は20万7千台、前年比12.2%増と3年ぶりにプラス成長に転じた。

産業分野別出荷台数別シェアでは、金融が20.1%、教育/自治体が19.0%、小売が7.4%、ヘルスケアが1.4%、その他(製造/情報サービス/通信など)が52.1%と順位は昨年と同様だった。教育/自治体とその他への投資割合が2016年より高くなっている。

国内クライアント仮想化ソフトウェア市場のベンダーシェアは、上位3社はマイクロソフト、シトリックス、ヴイエムウェア。総ライセンス数は238万9千ライセンス、前年比38.4%増とプラス成長となった。

IDC Japan PC、携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストである渋谷 寛氏は「クライアント仮想化第4世代を迎え、さまざまな企業がデジタルトランスフォーメーションの実現を目指す中、クラウド、モビリティ、仮想化技術を連携させたイノベーションが創発されるであろう」とコメントしている。