ブロックチェーン技術をマニュアルや企業内文書に応用する適用検証を開始

アイティメディア株式会社の子会社であるナレッジオンデマンド株式会社は、チーム・ドキュメント・システム「WikiWorks」の拡張版開発のため、テックビューロ株式会社のブロックチェーン製品「mijin」の適用検証を開始した。

WikiWorksは、製品やサービスのマニュアルを複数人のチームで管理・編集することに特化したソフトウェア。企業向けのWikiである豪アトラシアン社のConfluenceを基盤に採用したことで、Web対応が容易で柔軟なチームドキュメンテーションを可能にする。

ナレッジオンデマンドはWikiWorksを2015年に発売し、大手製造業・大手金融業に導入してきた。

mijinは、非改ざん性とユーザー認証・暗号化に優れたプライベート型ブロックチェーン製品。アプリケーションとの接続性が高く、データ送受信がシンプルに行えるのが特徴である。ブロックチェーンは、ビットコインの基幹技術として注目され、現在では金融業から音楽業界まで幅広い分野での活用が研究されている。

ナレッジオンデマンドはmijinを用い、改ざん不可能な形でトレース可能とする生産性と社内資産活用の向上を目的としたWikiWorksの機能拡張の実現性を検証する。ドキュメントを章やトピック単位に分け、その作成日付や修正や複製、引用、他ドキュメントとの共通化といった利用・改訂履歴をブロックチェーン上に記録する。

拡張機能は「誰が、いつ、ドキュメントを改訂したか」という履歴が重要視される社内文書、ドキュメントの法的エビデンス化、公的文書を管理する官公庁など幅広くニーズがあると期待される。また、ナレッジオンデマンドは「ドキュメントそのものの付加価値を高める」と説明する。

新バージョンは株式会社リコーに対し、導入済みのWikiWorksのバージョンアップとして提供することが決まっている。また、ブロックチェーンを活用したコンテンツ管理機能はConfluence単体や様々なグループウェア・文書管理ソフトにも組み込める仕組みで構築する。

Confluenceはグローバルで3万社の導入実績を持ち、国内でも大手製造業、通信、小売などが幅広く採用。Confluenceユーザー企業にもブロックチェーンを活用したコンテンツ管理機能を提供する予定。

ナレッジオンデマンドでは、グループウェアや文書管理ソフトウェアのベンダーにOEM提供することを視野に入れている。