IoT一括制御にて仮想発電所を調整

政府の「エネルギー基本計画」のもと自由化や既存システムの改革が進められている。現在、大規模電源に代わる仮想発電所(VPP)の展開が検討されている。VPPは電力ユーザーである家庭や事業所の電源や蓄電池、電気自動車をもバーチャルに集合して、送配電網に電気を供給する仕組みだ。

これまで大規模発電所の稼動・停止等で行われていた電力の需給調整について、VPPではユーザー設備で行う。たとえば晴天時、太陽光でつくった電気が余る場合はユーザー側の蓄電池を充電し、大規模電源が供給力不足の場合は、ユーザーの蓄電池から放電を行うなど、いわゆる需要家が需給調整を行う。社会全体として効率的なエネルギー利用に資するエネルギーインフラ構築に向けて、新たなエネルギーマネジメントの実現をめざすという。株式会社NTTスマイルエナジーは、経済産業省資源エネルギー庁の「バーチャルパワープラント構築実証事業」(補助金執行、一般社団法人環境共創イニシアチブ)を、本日より開始した。

電力系統に点在するユーザーの機器(リソース)をネットにつなげてIoT(Internet of Things)化し、これを一括制御することにより、リソースから捻出できる需給調整力を有効活用し、あたかも1つの発電所のように機能させる仕組みの構築を目標にする。
実証事業において同社は、送配電網から親アグリゲータ(関西電力株式会社)経由で指令を受け、リソースアグリゲータとして家庭に設置された設備(蓄電池システム)を遠隔でコントロールすることにより、電力需給に関する調整を行う役割を担う。期間は平成29年7月~平成30年2月。実施エリアは東京電力、関西電力、九州電力の管内。

この取り組みにより、電力系統における需給調整力が増強され、再生可能エネルギー電源のさらなる導入も可能となり、低炭素社会の実現に貢献できると考えているという。