究極の工業デザインは古都の風景とも実によく合う。
それを証明したのは京都生まれの「トミーーカイラ ZZ」。文化遺産も豊富な街路を駆け抜ける、スポーツEVはマスメディアに取り上げられることも度々で、代官山や横浜のカフェにだってよく似合う。久しぶりに、あっ、これ欲しい! と思った筆者は、けれど2シーターでは......という人には同じメーカー製の「GLM-G4」をおすすめする。
0-100km/h 3.7秒、最高出力 400kW(540馬力)、最大トルク 1000Nm、最高時速 250km/h、航続距離(NEDC:欧州標準試験モード) 400kmの電気自動車は、4輪駆動で、4枚のドアを開ければヨットが帆を広げたような姿になる、4シーターの"スーパーカー"である。家族4人で、2組のカップルで、軽井沢の別荘にいくにはちょうどいいだろう。
GLM-G4を、2019年に量産開始(計画)する京都大学発のEVメーカー、GLM株式会社はきょう、自動車部品メーカーの世界最大手ドイツ・ボッシュのハードウェアを用いて、電子制御ソフトウェア開発等を手掛ける「ボッシュエンジニアリング」と車両制御の分野で協業。まずは京都の開発拠点で来月上旬まで両社の技術者が動作テストを重ねると発表した。
近年のクルマは、ガソリン車でも「走るコンピュータ」といわれるほどに電脳化されている。EVならば電脳化は尚更であり、今回両社が共同開発するのは、車両の多機能を統合、制御できる高性能なEV専用の車両制御ユニット(VCU)――バッテリーマネジメントシステム(BMS)やモーターを駆動するパワードライブユニット(PDU)、車載用充電器(OBC)等の協調制御を行う、「GLM-G4」に求められる高性能VCUだという。
GLM社は完成車両の開発、販売のほか、車両の内部にあたるプラットフォーム部分の販売も行っている。そのため、今回のVCUの制御対象は、ボディ部分を除く車両内部に特化し、同社製以外の車両にも応用できるようにする。
これまで通りの完成車両とプラットフォーム双方の販売戦略を進めるとともに、独ボッシュが開発している車の機能をスマートフォン等で後から購入できるVCUとの連動サービスの搭載も視野に入れていて、協業領域を拡大し、自動運転分野などでも、ボッシュとの協力関係を深めたい考えだ。