船内プラントを遠隔予防保守

海上を行く船舶内には様々な機械や設備がある。大型ディーゼルエンジンや発電機関、ポンプやウィンチなど、いずれが故障しても運航はもとより離接岸にさえ支障を来す。

次世代の海運――。顧客から預かった荷物を、安全に安定的に、そして地球環境を守りながら輸送する、「船舶維新」を掲げている株式会社商船三井は、新たに建造する運航船2隻に、株式会社ClassNKコンサルティングサービスが提供する次世代型機関状態監視システム"ClassNK CMAXS(クラスエヌケー・シーマックス)"を搭載することを決定。きょう発表した。

運航モニタリングシステムを活用し、乗組員が気付けない機関の異常の予兆を検出し、機関トラブルの未然防止や運航停止時間の極小化を実現する。

対象の2隻では、主機関や発電機関、補機類を一括して運用・管理できるシステム「CMAXS共通プラットフォーム」上に、三井造船株式会社提供の主機関向けにデータ分析機能"CMAXS e-GICSX(シーマックス・イージックスエックス)"を搭載。加えて、ダイハツディーゼル株式会社提供の発電機関向けに機関運用支援サービス"CMAXS-LCA(シーマックス・エルシーエー)"を組み合わせたシステムとする。

発電機関に搭載する遠隔監視センサを従来機関より数・種類ともに充実させることで、"CMAXS-LCA"による発電機関のより的確な状態監視と効果的な自動診断を目指すという。

商船三井は、昨年11月に発表した「船舶維新NEXT~MOL SMART SHIP PROJECT~」のもと、運航船舶から得られるビッグデータを船内で一元的に収集し、海上ブロードバンド環境を利用した船陸間の分析結果を運航支援、環境負荷の低減、経済運航、適切な船舶管理などに役立てる「総合船舶運航支援ネットワーク」の構築を目標にしていて、今回の取り組みもその一環とのことだ。