ロボ・タクシー、ようこそTOKYO2020へ

世界の先進各国で自動運転技術が競われている。自動車メーカー、ICT(情報通信技術)企業、電子機器メーカー、ソフトウェアベンダーなどが入り乱れて――。

法令整備の進んでいるドイツとアメリカの数州が、いまはレベル3(条件付自動運転)以上の実用化を先導していると言えるだろう。

この分野で日本も負けじと、産官学一体となって研究開発を進めている。内閣府の「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP) 自動走行システム 研究開発計画」には、①交通事故低減等国家目標の達成、②自動走行システムの実現と普及、③2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を一里塚として、東京都と連携し開発――が、その目標・出口戦略として掲げられている。

そしてきょう、日の丸交通株式会社と株式会社ZMPは、ZMPが開発を進める自動運転技術と、日の丸交通のタクシー事業の知見を組み合わせ、2020年の東京五輪での自動走行タクシーの実現に向けて協業を開始した。

介護支援ロボットや物流支援ロボットなども手掛け、実車走行データ計測サービスや自動運転制御開発ツール「RoboCarプラットフォーム」を提供するZMPは、自動走行タクシーと乗務員が運転するタクシー双方の手配に対応する配車アプリを開発し、自動走行タクシーのサービス実現を目指す。一方、日の丸交通は、人手不足が課題となっているタクシー業界において、TOKYO2020に向けて増加が見込まれる訪日客、および交通弱者の移動手段としての自動走行タクシーを目標に、他のタクシー会社へも、この取り組みへの参加を呼びかけていくという。

両社は、利用者の利便性向上と、安全運転支援・営業支援を目指していく構えだ。