"きれい"をつくるナノ粒子を解明!

10億分の1メートル。決して肉眼で見られない大きさの粒子がさまざまなものをきれいにする。トイレの脱臭をし、洗濯物の汚れを落とし、食品や化粧品の抗酸化成分になり人に作用する。外壁に塗布されれば、建物の輝きを年中守る。
触媒としてモノをきれいにするのではなく、インク状にされて電子基板の配線に使われたり、自らが光り輝く材料になることもある。ナノ粒子は、その原材料になる金属が幾種類もあり、同じ金属であっても用途によってそれぞれ製法が異なる。 いま最も使われているナノ粒子の原料は酸化チタン――汚れの分解、消臭、殺菌、抗菌、そして水から酸素や水素を生成するなどの効果を持つ、光触媒として幅広い領域で利用されている。酸化チタンの結晶は、光を吸収した時、内部に高エネルギー状態の電子と、その電子が抜けた「正孔」を生む。正孔は表面に付着した匂いや汚れ、細菌などの物質の構成分子を分解する酸化反応に利用される。一方、電子は触媒表...

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