クラウドITインフラストラクチャの国内市場規模、前年比17.2%増

IT専門調査会社IDC Japan株式会社(以下、IDC Japan)は、2016年の国内クラウドITインフラストラクチャ市場の調査結果を発表した。国内クラウドITインフラストラクチャ市場を「パブリッククラウド向け」および「プライベートクラウド向け」の配備モデル別ITインフラストラクチャの出荷動向を分析。ITインフラストラクチャとしてはサーバ、エンタープライズストレージシステム、データセンター向けイーサネットスイッチを調査対象としている。

2016年の国内クラウドITインフラストラクチャ市場における出荷額は前年比17.2%増の1,432億5,200万円。同市場が2桁のプラス成長となった背景には、デジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みなどによる新規需要、既存システムの更新需要などで、クラウドファーストの考え方が広く浸透したことがあると分析する。DXとは、ITの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること。具体的には企業が第3のプラットフォーム技術を利用して、新しい製品・サービス、新しいビジネスモデル、新しい関係を通じて価値を創出し、競争上の優位性を確立することとIDC Japanは解釈している。

2016年はパブリッククラウド向けの出荷が63.7%と好調で、前年比25.1%増の913億円になった。パブリッククラウドサービスの主要な担い手は、グローバルなサービスプロバイダーに加えて、国内資本の大手ホスティングサービスプロバイダーなどへと広がった。

過去数年を見るとIBMや富士通、NEC、日立製作所といった総合IT製品群を提供するハードウェアベンダーにおいても、ハードウェアを中心に据えた事業戦略から、クラウドサービスやDX関連ソリューションを中心に据えた事業戦略への転換が進んでいる。この様な市場参加者の変化が、2016年の国内クラウドITインフラストラクチャ市場におけるパブリッククラウド向け出荷額シェアに表れている。

グローバルクラウドサービスプロバイダーは創生期から高密度実装可能かつ冷却効率の高いハードウェアを、大量かつ低価格で調達するためにODM(Original Design Manufacturer)から直接調達(ODM Direct)。また、デルでは従来から大規模導入する顧客向けには個別仕様のハードウェアを提供してきた。

一方で、国内資本の大手ホスティングサービス事業者や、総合IT製品群を提供するハードウェアベンダーの事業戦略がクラウド重視へと転換する過程において、冷却効率を高め、高密度を実装可能な製品が提供されるようになった。

案件の規模によってはODM Directやデルと競合しうるベンダーが現れた。顕著な例としては、ファーウェイがこれに該当する。国内市場において同社は特定の大口案件にフォーカスして提案しており、一部のサービスプロバイダーにおいて案件を獲得しているとIDCではみている。そのため、ODM Directの占める割合が、2014年の43.4%から15.1ポイント低下して28.3%になった。

国内クラウドITインフラストラクチャ市場 2016年の出荷実績を発表

カテゴリー: 情報通信   

大島 純一郎

大島 純一郎Author

証券系システムエンジニアやIT系資格対策問題集の編集、IT系Webメディアの編集記者などの経歴を生かして、企業向けIT関連の記事制作に携わる。専門は、IT、金融、医療分野。医療情報システムの企画/構築、運用に関する知識を有する専門者としての資格、医療情報技師、情報セキュリティアドミニストレータの保有者。

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