事例! 柔軟かつ高可用の消防無線・有線ネットを構築

消防局の災害対応用システムは、災害状況を正確に把握し、迅速かつ的確な情報収集と伝達が必要であるため、極めて高度な可用性が求められる。

災害発生時に利用できなければ意味がないので、既存の通信サービス網ではなく、消防局が独自に整備した自前の通信網で構築してきた。

近年、情報システムのIP化が急速に進んでいて、順次それらを収容していく必要があったという。日本電気株式会社(NEC)は、札幌市消防局の災害対応用システムにおいて、IP化へ応えるとともに、SDN(Software-Defined Networking)を用いた、無線と有線で構成された災害対応用基幹ネットワークを構築したことを発表した。

同システムはヘリコプターからの映像伝送システム、高所・局舎監視カメラ、災害発生時に対策本部が利用するテレビ会議システムなどの複数のシステムにより構成され、SDN製品「UNIVERGE PFシリーズ」を導入したことにより、既存の独自通信規格とIP通信を併存させた段階的なシステム変更が可能となる。将来、システムの高度化に向けてSDNの拡張性を活かし、変化へ柔軟に対応することもできるという。

SDNの自動迂回機能を活用した今回構築のネットワークは、可用性が高く、災害発生時に通信不能となるリスクを軽減するとともに、柔軟な変更・拡張性を実現する。多重無線におけるSDNを活用したネットワークの構築は初めてのことだという。

NECは、社会ソリューション事業に注力していて、SDNを活用したシステムを国内外で600以上納入している。IoT時代に必要なセキュアで柔軟なネットワークの構築や運用を、SDN技術の提供を通して実現し、企業・団体の安全・安心なネットワーク運用に貢献していくとした。