レベル4車両をサイバー防衛

古くは高速道路などで一定速度の走行を実現するオートクルーズ機能、そして現在盛んなのは自動ブレーキの搭載であり、自動で縦列駐車や走行車線をキープする運転アシスト機能も実現している。

日本において、来年には車両の隊列走行が実験される予定だ。

事故防止、渋滞緩和などを目指し、各社研究開発に余念がない自動運転技術はいま、レベル2にあり、レベル3に差し掛かろうという段階。ドライバーの責任の下、準自動で車両を"システム"が運転する。(レベル定義参考:平成28年12月7日、内閣官房IT総合戦略室資料)
技術の商用化は、インフラ整備や法改正などとともに実現される。
さらに上の段階、レベル4(完全自動化車両:SAE Level4/5)ともなれば、過疎地での活用や運輸運送業界での人手不足解消といった効果が期待されるものの、いっそうの安全に向けたインフラおよび法整備、保険の仕組み変更なども求められる。

レベル3、レベル4車両はつながる車(コネクティッドカー)であり、次世代高速通信網(5G)とも無縁ではない。いわばコンピュータ、ICT(情報通信技術)システムの一部となる。事実、コネクティッドカーに搭載されるソフトウェアは、そのソースコードが数千万行に及ぶと言われている。ゆえに自動車メーカーのみならず、通信会社や電子機器メーカーとともに、ITベンダがこぞってこの分野に技術と資源をつぎ込んでいる。

フランスでは政府の未来計画の一環で設立された団体VEDECOM(仏サイト)が、今年から来年にかけて欧州5ヶ国における商用向け完全自動運転車(SAE Level5)の導入を行うという。
ネットワークセキュリティソリューションを提供する株式会社アズジェント(JASDAQ:4288)は、同社が日本で独占販売しているAutonomous(自動・自立型)セキュリティ製品「Carwall」の開発元――Karamba Securityのソリューションが、 VEDECOM Techのコネクテッドカー・自動運転車に採用されることを発表した。

自動運転車のブレーキやステアリングを乗っ取ろうとするハッカーから守り、車両の電気系統をはじめとするシステム全体を防衛する。CarwallとAutonomous Securityは、 誤検知なくサイバー攻撃を防御することにより安全性を確保、アンチマルウェアのアップデートが不要、開発不要で自動的なポリシー生成といった特長を備えていて、米国デトロイトで開催のTU-Automotive Detroit 2017にて評議員の満場一致で、 "Best Auto Cybersecurity Product/Service of 2017"を受賞。
来月3日、アズジェントとKaramba Security社がSCSKと共同で開催するコネクテッドカー・セキュリティセミナー」において、その詳細は明らかにされるだろう。