OASIS標準規格でパブリッククラウドを一元管理

営業管理や経営企画等で利用のCRMシステムがネット経由で提供され、そのサービスベンダーをアプリケーションサービスプロバイダー(ASP)と呼んでいた頃、アマゾン・ドット・コムがAmazon Web Services(AWS)を展開。それは保有が主流だったITシステムを、利用するものへと変える端緒となった。

2017年6月14日

以来約15年、新潮流は世界で既成の仕組みを飲み込み、新たなビジネスを生み出し続け、国内でも、パブリッククラウドサービス市場は今年いよいよ4000億円に迫る勢いだ。3月に公表されたIDC Japanの予測では、2021年に1兆円を超えるとされている。結果、いま多くのエンタープライズITユーザーは、さまざまなクラウドサービスを利用している。アプリケーションごとにサービスベンダーが違い、利用の都度、異なったIDでログイン/ログオン/サインイン/サインオンすることもある。

煩雑な上に、セキュリティ・リスクを招く――マルチクラウド環境において、日本ビジネスシステムズ株式会社(JBS)はきょう、F5ネットワークスジャパン合同会社の「F5 BIG-IP Access Policy Manager」(BIG-IP APM)を活用した「マルチクラウドコネクトサービス SAML 認証 オプション」の提供を始めた。
"the MATRIX" シリーズのマルチクラウドコネクトサービスは、パブリッククラウドの専用線接続回線の統合を実現し、マルチクラウド利用を可能にするソリューションとして、その標準パッケージの展開が先月始まったものだ。ここに今回、オープンな標準規格を推進するOASIS策定のSAML(Security Assertion Markup Language)認証にて、BIG-IP APMの機能を採用。Microsoft Azure、IBM Bluemix、AWS、Google Cloud Platform™、ニフティクラウドといったクラウドサービスとの認証連携を実現するという。

同サービスの利用企業・団体は、複数種のクラウド上に展開されたアプリケーションアクセスのためのユーザ IDの連携や、シングルサインオンが可能になり、アクセスの強化と保護を同時に実現できる。認証ディレクトリの一元化によって、ユーザーの運用ポリシーに適合した形でマルチクラウドサービスの統合管理ができる。

BIG-IP APMのほかに、アプリケーションの可用性を高める機能を提供する「BIG-IP Local Traffic Manager(BIG-IP LTM)」、WAF機能を提供する「BIG-IP Application Security Manager(BIG-IP ASM)」、広範なマルチレイヤ セキュリティを実現する「BIG-IP Advanced Firewall Manager(BIG-IP AFM)」を組み合わせて利用することも可能とのことだ。