発火事故等を防ぐUSB

スマートフォンを利用中に発火――。多くは充電中で、旅客機内のシートが焦げたとか、自家用車が燃えたとか、火傷や怪我をしたといった話が海外から届いたことは記憶に新しい。非正規のUSBアダプターやケーブル、充電器が発火の原因だったとして、充電中の使用を控えることと同時に、注意喚起もされた。

しかし従来、各メーカー独自の給電技術が使用され、使用するケーブルやACアダプタが正規品なのかどうかを識別する手段も標準化されておらず、安全面のガイドラインもなかったという。ルネサス エレクトロニクス株式会社は、ACアダプタ、PC、スマートフォン、その他民生・OA機器や玩具など、直流電力を使用する幅広い機器に向けて、新たにUSBコントローラLSI「R9J02G012」を開発。
新製品はUSB Power Delivery Rev 3.0(USB PD3.0)に加え、機器間認証を実現するUSB Type-C™ Authentication Rev1.0(C-auth)に業界で初めて(同社5月30日調べ)、ワンチップで対応していて、今年6月からサンプル出荷が開始される。

最新のUSB PD3.0規格と、実績30年のセキュリティ技術によるC-auth規格対応をワンチップで実現したほかに、省スペースパッケージの採用により基板サイズを(同社従来製品比で)50%以下に削減可能、などの特長を有している。新製品を含む各種USBソリューションは、きょうから6月3日まで台湾・台北市で開催の「COMPUTEX TAIPEI 2017」にて、USBインプリメンターズフォーラムブース(ホール1、ブース番号N0608)で展示される。

新製品の量産は、来年1月より開始。2019年1月には月産100万個を計画していて、サンプル価格は1,000円/個(税別)を予定とのことだ。