スマートホーム検証、企業連合が実施

それはイメージとしては理解できる。けれど実際、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」技術によって、マイホームの何が変わるのか、どこがどのようになるのか、多くは便利で楽しく、生活の質的向上を期待するものの、セキュリティ面などに不安がないわけではない。

インターネットにつながる家は欧米を中心に先進的な取組が進められていて、日本では、機器間の連携・接続に必要となる一定のルールやセキュリティ・認証、製品安全、プライバシー等の課題から企業の枠を超えた取組が十分に進んでおらず、革新的な新たなサービスも生まれにくい状況にあるという。経済産業省は、平成28年度補正予算「IoTを活用した社会システム整備事業(スマートホームに関するデータ利活用環境整備推進事業)」に係る委託先の公募を行った。結果、同事業を受託した株式会社三菱総合研究所を事務局にして、第1回事業環境構築検討会が昨日開催された。

そして、同事業の再委託を受けた大和ハウス工業株式会社は、家庭内のデータを活用した社会課題の解決、新たなビジネスモデルの創出などを目的として同省が行う実証事業の採択を受け、スマートハウスのデータ収集・機器制御機能とIoT機器や人工知能(AI)機能、Webサービスを連携した情報基盤システムの実証を行う。

既存のIoT機器やWebサービス、建物内に設置するデータ収集サーバーを連携し、個々の機器・サービスを統合するシステムでは――。
富士ソフト(株)開発による、AWSクラウドサービスを活用したコスト削減の仕組みをつくり、ヤフー(株)提供の「myThings Developers
で多種多様なIoT機器やウェブサービスと接続して自動化とカスタマイズを実現。大和ハウスオリジナルの「D-HEMS」に搭載の住宅APIと、(株)ソニーコンピュータサイエンス研究所のスマートハウス向けオープンソースホームコントローラー「Kadecot(カデコ)」を融合し、"インターネット接続が無い状況でも動作し、長期利用を前提に通信手段の変化に対応できる"という課題に取り組む。

ほかにIIJ、NEC、パナソニックの技術やサービスとの連携、ユカイ工学の家庭用コミュニケーションロボット「BOCCO」およびシャープが開発中の音声対話端末ホームアシスタントを活用した音声認識ロボット等の新たなユーザーインターフェース、SNSでの情報配信やシステムの遠隔保守による顧客満足度の向上等について評価するという。検証は、つくば市内の大和ハウス顧客30世帯をモニターに、戸建住宅にシステムを実装して行うとのことだ。