クラウドは普及してから年月が経っているので安心できる――にしても、そこにこれからIoT(Internet of Things)で収集したデータを蓄積して処理するとなると、やはりセキュリティが気に掛かる。
あらゆるモノをネットにつなぐわけで、製造業における競争力の命とも言える設備の稼働状況など、あるいは医療や介護といったヘルスケア事業における個人情報と健康データなど、生産性の向上や働き方改革に活かせるといっても、機密性の確保は絶対条件だ。
そこで日本マイクロソフト、ユニアデックス、NTTドコモの3社が協業を発表した。
MS提供のパブリッククラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」、ユニア提供の「IoTビジネスプラットフォーム」、ドコモ提供の閉域網サービスを連携したセキュアな「IoTパッケージサービス」を、2017年9月より、3社共同で販売する。目標は2020年までに1,000万台のIoT機器に接続とのこと。
センサからのデータ取得プロセスなどを容易にする「IoTスタートキット」を展開しているユニアデックスはこういう。これまでIoT機器から収集したデータは、インターネットを介してクラウド上に蓄積するという仕組みがほとんどで、データをセキュアな環境で利用するためにはその設計、構築、運用、リソース追加等の費用や稼働負担を伴った――。
そして今回発表した3社協同のサービスは、センサ機器等から収集したデータを、「docomo M2Mプラットフォーム」を介してモバイル回線で閉域網接続し、セキュアなネットワークを利用して送信――。送信後のデータは、「Microsoft Azure」に蓄積され、「IoTビジネスプラットフォーム」上で可視化する。ゆえに、工場に設置した機械から収集した機密情報や、ヘルスケアサービスで取得した個人情報等をセキュアな環境でクラウド上に送信することができる。
人工知能(AI)の礎である機械学習(Machine Learning)や、IoT Hub等豊富な機能をもつ「Microsoft Azure」を基盤に、予め可視化するメニューを厳選して提供することで、ユーザーは機器から取得したデータをワンストップでみることが可能になるとのことだ。
今後3社は、製造設備の見える化に加え、作業員の動きや体調をデータ化する等の総合的な生産性向上に向けたサービスを検討。また、介護や医療現場における需要拡大・人手不足という現状に対し、IoTを活用して患者の日常の健康状態や変化等を自動的に把握することで、地方創生や社会的課題の解決につながるサービスの開発や導入推進に取り組んでいくとした。
いまの成果は、5月10日より東京ビッグサイトで開催するイベント「第6回IoT/M2M展春」のNTTドコモブースにて確認できる。