音声データのリアルタイム連携により、顧客対応の業務効率Up!

いま世間では、さまざまなデータの利活用によりビジネスの新たな価値創出をめざす取り組みが活発化してる。

2017年4月20日 (BP-Affairs編集部)

サービス事業者等が運営するコンタクトセンターにおいても、サービス品質や売上の向上など、「お客さまの声」というデータを活用した課題解決が期待されている。一方、取り扱うデータの増加や業務の複雑化により、オペレーターの業務負荷の増加などが懸念されているという。

中国電力グループにおいて情報通信事業を展開している株式会社エネルギア・コミュニケーションズ(エネコム)は、株式会社日立製作所の協力のもと、今年1月から3月まで、コンタクトセンター業務における音声データのリアルタイムな利活用に関する実証実験を行った。
日立保有の音声認識技術と、エネコム提供の個人向けインターネット接続サービス「メガ・エッグサービス」のFAQ(よくある質問)データとを組み合わせ、音声をリアルタイムにテキスト化する試みだ。

FAQデータベースのほかに、CRM(Customer Relationship Management)システムなどともリアルタイムに連携できる日立の「コンタクトセンター業務効率化支援サービス」を用いた検証環境において、顧客とオペレーターが通話中の音声をリアルタイムにテキスト化するとともに、テキスト化されたキーワードをもとに「メガ・エッグサービス」のFAQデータベースを自動検索し、回答候補を画面に表示する実験を行った。
結果、オペレーターの業務負荷や応対時間の削減、そして業務経験の浅いオペレーターへの支援効果が期待できることを確認したという。

エネコムは上記結果を踏まえ、今後も日立とともに、顧客の質問意図を理解し、対話しながら質問内容を絞り込む「人工知能(AI)を活用した自動音声応対」などに取り組み、それらの活用およびサービス化を目指す。さらに、音声と業務データの統合分析によるマーケティング施策の立案支援などの新たな価値創出に取り組んでいくとした。

一方、日立製作所は、今回の実証実験の成果、得られた知見およびノウハウを「コンタクトセンター業務効率化サービス」に取り込むなど継続的な強化を行い、IoT プラットフォーム「Lumada」をベースとしたサービスの一つとして、幅広い業種・業態への展開を推進し、企業の新たなビジネス価値創出を支援していくとのことだ。