データの管理活用は全企業の重要戦略

IDC Japan、2017年 国内ストレージ需要動向調査結果を発表

クラウドサービス、オンラインストレージサービスの台頭によって、データを蓄積・管理・保護・共有するストレージは、その位置づけがエンタープライズITにおいて変化したように見える。Software-Defined(ソフトウェア定義型)やオールフラッシュなどの新たなテクノロジーを取り込んでいるものの、旧来の大手ストレージベンダーからは嘆き節が聞こえてくる。

が、データそのものが減っているわけではない。データ量はむしろ増えていて、あらゆる仕組みのデジタル化や、ソーシャル、モバイルコンピューティングの進展により、年々増え続けているのだ。

ITを活用したビジネスのデジタルトランスフォーメーション(DX)が課題になっている。と、指摘するIDC Japanは、このほど、2017年度の国内ストレージ需要動向を明らかにした。
大企業315社、中堅中小企業385社から得られた調査結果を公表し、国内企業がデータ管理戦略で重視する上位3項目は「データセキュリティ(情報漏洩/改ざん防止等)の確保」、「データ処理の高速化」、「低コスト/大容量/長期アーカイブの実現」だったとした。

年間ストレージ支出大なるITプロジェクトは、「サーバー仮想化の導入/拡大」であり、他を大きく引き離して1位。ITインフラ構築において標準的なテクノロジーとなり、企業のストレージ支出に大きな影響を与え続けていることが分かったという。
サーバー仮想化に次いで、「プライベートクラウドの構築」、「データベース/アプリケーションの高速化」、「バックアップ/リカバリー」、「ファイルサーバー更改/増設/ファイル共有」が、似たようなパーセンテージで上位を占めている。
企業におけるストレージの役割に、10年以上前から大きな変化はないと言えそうだ。

「業務上長期保存が必要なデータの増大」、「データ保護や災害対策の強化」といったデータ量の増加要因を睨みつつ、「ITを活用した新規ビジネスの増加」や、「ビジネスでの画像/音声/動画活用の増加」や、「新規アプリケーションの増加」やに対応していくことが、今後も求められるであろう。