全年齢対象のSTEM教育をロボットで学ぼう「Adeept」
手を動かすことの効果は非常に大きく、映像や写真だと平面上の理解しか進まない一方、3次元の刺激が加わることで、触覚や視覚をフル活用して経験することができる。
近年はSTEM教育のように、エンジニアリングを義務教育の一環としてカリキュラムに採用し、全ての人が工学に造詣のある人物となるよう、制度改革も進められている。
しかし、充実したSTEM教育のために必要なのがロボットキットのような製品で、いかに安価で、なおかつ多くの子どもたちや大人が楽しめる製品であるかが重要になる。
「Adeept」はそんなSTEM教育を推進するために誕生した、汎用性の高いロボットキットの一種に仕上がっており、幅広い運用を前提としたモデルとなっている。
STEM教育の重要性と課題
STEM教育において重要なのは、多くの人が一律に同等の教育を受けられるという環境を整えることにある。
ロボットを使ったエンジニアリング教育は、STEM教育に置いて重要な地位を占めており、それがもたらしてくれる効果は大きなものになることが期待されている。
ただ、問題となるのが質の高いロボットキットを多くの人に流通させるための仕組みだ。
誰でも組み立てられるようなロボットをSTEM教育向けに応用して販売されている例は、これまでも見られてきた。
しかし肝心なのが、その導入のしやすさだ。どれだけ優れた教育効果を発揮するとしても、共通規格が採用されておらず、世界標準となりうるキットを提供することは難しいものである。
また、特別なパーツなどを使用してしまうと製造コストを圧迫し、小売価格にも影響が出てきてしまう。性能を維持しつつも、できる限り安価で提供できるのが、教育には欠かせないのだ。
そこで登場したのがAdeeptで、こちらは世界標準のマイクロコンピューターであるRaspberry Piを搭載しているのが特徴だ。
Raspberry Piは日本でも広く普及しているコンピューターで、イギリスで2012年に販売が開始されて以来、何度もアップグレードを繰り返しながら今日まで使用されてきた。
Raspberry Piの最大の特徴は、安価な基盤でありながら、高い汎用性を備えている点にある。
ロボティクスはもちろんのこと、近年注目を集めるIoTのような分野でも活躍しているため、教育利用目的としては申し分ない働きをしてくれる。
AdeeptはそんなRaspberry Piを採用してのロボット製作に励むことができるので、誰でも簡単に、そして安価にSTEM教育を受けることが実現する、というわけだ。
オールインワンで優れたパフォーマンスを
Adeeptを用いて制作することができるのは、大型のタイヤを備えたオフロードカー、スピード重視で小さなホイールが特徴のスポーツカー、そしてタイヤの代わりに四脚を備える、四足歩行ロボットの三種類だ。
基本的なスペックはこの三種類の間で違いはなく、それぞれの外装を生かし、高速での走行や、悪路の走行、さらには段差の昇降といった、高度な運動能力を披露してくれる。
ロボットのコントロールはスマホを使って行うことができるので、新たにリモコンを作ったり、購入するコストを削減することができるのも特徴だ。
パーツはアルミニウム製で作られているので、強度と柔軟性に優れ、多少手荒に扱っても破損しないのも、子供向けのロボットとしては嬉しい魅力である。
これらのロボットは、それぞれを単体で購入することもできるのだが、3つがセットになったオールインワンパックでの購入がおすすめだ。
ロボットはそれぞれで異なる機能を有してはいるが、基本的なパーツはどれも同じものを使用している。
そのため、パーツをつかいまわしながら、3つのロボットを1つのキットで組み立てることもできるのだ。
1つのロボットを組み立てるだけでは、子供たちもすぐに飽きてしまうものだが、3つ作れるとなると、自分の好きなロボットを選んで、自由に組み立てることができる。
また、自分でオリジナルにパーツを組み合わせ、新しいロボットを作ることもできるだろう。
Adeeptは現在Kickstarterで注文を受け付けており、単体のロボットを購入する場合は74ドルから、オールインワンパックの場合は一律169ドルで購入することが可能だ。