ニュージーランド初のユニークな電気自動車「E KiwiGoa」

石油に頼らない交通手段の開発は、今や世界中でトレンドとなっている、テクノロジー最前線の分野と言えるだろう。 特にガソリン自動車に変わる新エネルギー自動車の開発は急務となっており、ハイブリッド車のようなガソリンの消費を半分に抑えてくれる車に始まり、水素自動車のように完全にガソリンを廃した乗り物も誕生しつつある。

この他にも様々なエネルギーを活用した自動車がテスト段階、あるいは販売に差し掛かっているが、最も注目を集めているのは電気自動車だろう。

電気自動車はバッテリーの力で走行するため、ガソリンを使わない上に走行中の騒音も非常に小さいことから、次世代の乗用車としての注目度は非常に高い。

日本でも電気自動車の開発は進められているが、この度ニュージーランドで開発が進んでいる「E KiwiGoa」は、日本でもなじみやすそうなデザインと性能が魅力の電気自動車となっている。

島国で増大する電気自動車の需要

ニュージーランドは小さな島国だが、日本やオーストラリア同様安定した先進国で、日本から留学に行くという人も少なくない。

また小国ということもあり資源に乏しいため、新エネルギーへの意識が高いことも特徴的だ。アメリカや中国、ロシアのように、国土があり資源もある大国の場合、既存のエネルギーで十分に賄っていけることをよく理解しているため、新エネルギーの運用にそこまで積極的でないという様子も散見される。

アメリカは新エネルギー開発にも熱心だが、早急に必要としているのはやはり日本やニュージーランドのような島国や、資源を持たない国なのである。

島国は地続きの国土を広く有する大陸の国々とは異なり、長距離移動が可能な乗り物の需要はそこまで大きくはない。自家用車としては少し歩きや自転車では遠いところに行けるだけのパワーがあれば良いし、流通に関しても各家庭に届けるレベルの小型トラックが主流となるため、大陸を横断できるほどパワーのある電気自動車は必要ないのである。

特に日本の都市部は電車のような公共交通機関発達しており、車の需要がある地方でも近所を手軽に移動するためだけに使っているというケースも見られるため、ちょっとした移動に使える自家用車のニーズは非常にミニマルな使用方法に限られているとも考えられるのだ。

ミニマルだが、パワーのある電気自動車

そこでニュージーランドで開発されたE KiwiGoaは、東南アジアに見られるトゥクトゥクのような、三輪自動車となっているのが第一の特徴だ。バイク感覚で使えるが、三輪で安定しているため高齢者でも安心して使えるだけでなく、キャパシティもあるため、非常に庶民的な利便性の高さを有していると言えるだろう。

電気自動車は確かに環境への負荷は小さいが、一方でガソリン自動車ほどのパワーを有していないことも欠点としてあげられる。そのため小規模の移動に適したテクノロジーとも言えるので、E KiwiGoaのような交通手段は公私を問わず広く受け入れられるだろう。

例えば空港のシャトルバスや、テーマパークなどの広大な敷地の移動である。このような場所ではすでに電気自動車が採用されているケースもあるが、自動車を使うほどではないが、人力で移動するには少し遠いという場合には、E KiwiGoaが活躍してくれるに違いない。

少し運動性の高いゴルフカートといえばわかりやすいかもしれないが、ゴルフカートよりもパワフルに活躍してくれるだろう。

E KiwiGoaは短中距離の移動に最適とはいえ、全く長距離の移動ができないわけではない。一回の充電で最大250キロの移動が可能となっているため、ある程度の距離であればE KiwiGoaでも十分に移動が可能だ。

電気自動車に手が出しにくい理由の1つとしては、ガソリン自動車のように補給できるステーションの数が豊富ではないことも挙げられる。行きのバッテリーはあっても帰りの分がないようでは意味がないが、250キロの走行が可能であれば、燃料切れの心配もないだろう。

E KiwiGoaは現在Kickstarterで出資者を募っており、将来的には量産が行えるよう、絶賛開発中とされている。