家庭内菜園で新鮮な野菜をいつでも食べられるガジェット「HYDRA」

肉や魚は獲れたてより少し時間が経ってからの方が味が良いと言われるが、野菜に関しては収穫してすぐが最も美味しいのは明らかだろう。野菜の美味しさの秘訣はその栄養と、まるで今畑から獲れたばかりかのようなみずみずしさにあるからだ。

だが都会で生活していると、美味しい野菜を食べることは少し難しくなってしまう。近隣に野菜畑のようなものがないため、収穫から少し時間の経ったもの以外は店頭に並びにくいためだ。

かと言って野菜を自家栽培するのも難しい話である。野菜を育てるのに十分なスペースを見つけるのは難しく、そもそもそのような土地も時間も見つけるのは現代人には困難である。

「HYDRA」はそんな多忙な都会の人間に向けて開発された、家庭内で野菜を育てることのできる育成キットで、キッチンの近くに設置できてしまうコンパクト性が魅力のプロダクトとなっている。

家の中でも気軽に育成可能な水耕栽培システム

家の中で野菜を育てることは、意外とその条件を整えるのが難しいものである。ポピュラーなものとして、例えば土壌の問題があるだろう。肥沃な土壌は旨味のある野菜を育てるには欠かせない存在だが、室内で肥料を使うのは部屋が汚れてしまう心配もあるため、うっかりキッチンなどでひっくり返してしまうと取り返しのつかないことにもなりかねない。

あるいは、毎日の世話を徹底しなければならないということも問題だ。野菜は植物であるため、ものによってはかなり繊細なケアを必要とする種類もある。例えば数日間家を開けてしまったり、家を離れている間に部屋の中の気温や湿度が大きく変化してしまえば、野菜の出来にも影響を及ぼしてしまうことがあるだろう。

そこでHYDRAの場合、水耕栽培方式を採用することで課題に取り組んでいる。水耕栽培は土を使わずに水だけで植物を育てる方法だが、HYDRAはコンパクトながら内部に水耕栽培用の循環システムを搭載し、水で野菜を育てることが可能となっているのだ。

また、土を使わないシステムを採用したおかげで、肥料を買い足したりする必要はなくなった。土壌で野菜を育てるには、土から栄養がなくなってしまった場合に土ごと変えてしまう必要もあったものだが、水耕栽培にはその手間もかからないのが特徴となっている。

コンパクトなスペースで水耕栽培を行うため、HYDRAが設計に力を入れているのはライトの具合、そして温度だ。これらをうまく調整し、野菜の生育に最適化された環境をHYDRAの中に完成させることに成功している。このおかげでもう家の中で日当たりの加減などを考えながら起き場所を調節する必要はなくなり、ゆとりあるインテリアコーディネートが可能になる。

環境負荷の小さいプロダクトデザイン

HYDRAはサステナビリティも考慮したプロダクトデザインが採用されており、製品にネジ構造が用いられていないほか、コンテナはリサイクル素材で、開発チームはHYDRAを作った分だけ植林を行う活動にも従事している。家庭菜園などは一見エコロジカルだが、肥料や大量のゴミを出すことは一転して環境負荷を増大させてしまう可能性備えている。このようなエコ活動に従事したいという人にもHYDRAは薦められる製品となっているのだ。
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またHYDRAで育てる野菜に関しては自分で調達してくることも可能だが、あらかじめいくつかのテーマに沿って用意されたシードパックも用意されている。

タンポポやルダといった健康増進に役立ち、かつ成長も早い植物をまとめたメディカルパック、チリやハバネロ、スパイシーバジルといった辛味のきついものを集めたスパイシーパック、レタスやキャベツなど、生でいただくのに最適なサラダパック、ミントやタラゴンなど、カクテルに最適な植物を集めたカクテルパックなど、好きなものを楽しむことができる。

もちろんどのパックも100%オーガニック由来のものとなっているため、体にも環境にも優しい製品だ。

家庭内菜園で新鮮な野菜をいつでも食べられるガジェット「HYDRA」

HYDRAは現在Kickstarterで出資者を募っており、111ドル以上の出資で本体を一台購入することができる。HYDRAには全部で3種類のサイズがあり、最小モデルが111ドル、ミドルサイズが223ドル、ラージサイズが335ドルの価格設定となっている。

家の大きさやニーズに合わせて、好きなものを購入すると良いだろう。