サイズも用途も選ばない小さなGPSトラッカー「Tail it」
電波状況によるものの、感度の良いところであれば誤差を1メートル以内に収められるほどの精度を持ち、人一人の居場所も正確に把握することができてしまうほどだ。
最近はBluetoothやNFCなど、比較的短い距離での通信技術開発が顕著であるように見えるが、長距離通信技術もまた大きな進歩を遂げつつある。
そのアプローチは機器や目的によってさまざまだが、今回紹介する「Tail It」は、地球上のどこにいても対象を確実に特定できる高性能GPSを、あらゆる人や物に搭載できる利便性を備えたトラッカーとなっている。
携帯電話同様の通信技術を搭載するTail it
位置情報の特定にはさまざまな手法や技術が存在する。例えば短距離通信技術の中では最もポピュラーなものの一つであるBluetoothもトラッキングに活用できるが、遠距離となるとその有効性を失ってしまう。
Bluetoothは短距離、およそ30メートル前後であれば高い精度と安定性を保ちながら通信状態を維持することができるのがメリットである。しかし逆を言うと、長距離通信には応用性のない技術であると言えるだろう。
一方のTail itはBluetooth技術ではなく、セルラー方式によるネットワーク接続を活用する全距離対応がた通信を実現している。
セルラー方式とは、無線基地局が提供する通信可能エリアの電波を送受信して通信を行うタイプの通信方法である。モノとモノが直接通信し合うのではなく、基地局を介することでほぼ無限に通信距離が伸びていくことができる手法となっており、現代の携帯電話やスマートフォンもこの手法を用いて長距離通信が可能となっている。
その通信範囲は基地局が近くにあるかどうかによるものの、事実上地球全土を覆える距離を確保されており、 Tail itもまた同様の範囲をカバーできている。
つまり、tail itはどこにいたとしても対象者の位置情報を常に特定し続けることができるのである。
これだけ大規模な通信状態が確保されているとなると、気になるのは、料金である。携帯電話料金などは私たちにも馴染みが深い通り、期間ごとの契約によってそれなりの料金を支払うことになっているため、やたらと契約を増やすと言うのはデメリットの大きいところもある。
あるいはサービス料金体系としては、サブスクリプション形式のモデルも増加傾向にある。電話料金と同様、月額などでサービスの利用料を一定額取られ、使用している間は半永久的に支払い続けなければいけないと言うものだ。
しかしながらTail Itの場合、このような通信費用やサービス利用料金などは一切発生せず、本体購入利用料金のみでトラッキング機能を利用することができる。
このおかげで、Tail Itを活用する際にも通信量などを気にすることなくトラッキング左折ことが可能となり、いざという時にきちんとパフォーマンスを発揮してくれることだろう。
用途に合わせた多様なモデル
Tail Itの形状にはいくつかの種類が存在する。ノーマルモデルはキーホルダーなどに取り付けて使える車のキーのような形をしたモデルで、どのようなシチュエーションにも柔軟に対応できることが期待される。
またはペット用のTail Itもリリースが予定されている。ペットは気まぐれに出かけてはそのまま行方不明になってしまうこともある存在だが、首輪に取り付けておくことで、万が一食事の時間に家へ戻ってこなかったとしても、すぐに居場所を特定することができるだろう。
あるいは、自転車専用のTail Itも製作されている。自転車泥棒はどこの国においても頻発し、自転車愛好家の最大の敵とも言える存在だが、自転車用のTail Itはハンドル部分の内部に仕込んでおくことができるようになっている。
普通の外付けタイプのTail Itとなると、窃盗の際にTail Itを外されてしまう可能性もあるが、反動rの中であればそうそうその存在に気づかれることもない。
これで万が一愛車が行方不明になっても、すぐにその場所を特定することができると言うわけだ。
Tail Itはバッテリーも最大三週間の連続使用が可能となっているため、対象が遠くに行ってしまった場合でも、持ち主の到着までその場所を追跡し続けることが可能になるだろう。
Tail Itは現在Kickstarterで出資者を募っており、すでに800万円以上の資金を調達することに成功している。
日本からの注文も現在受け付けており、一台あたり1万円程度の出資でTail Itを手に入れることが可能だ。