ロストバゲージやペットの行方不明に対応できる新しい位置情報サービス「Trak-n-Return®」

自身の持ち物の紛失は日常的に起きうるトラブルでありながら、最も厄介な事件の一つであることは間違いない。例えば財布を落としてしまったり、さっきまで持ち歩いていたスマートフォンがポケットから消えてしまっているといったトラブルが挙げられる。

財布やケータイは私たちが手放したくないと考える必需品であるはずなのだが、ついついどこかへ落としていってしまうことは、人によっては日常茶飯事となっていることだろう。

もちろんこれまで人間が発明してきたアイテムの中で、紛失防止のため生まれたものは無数に存在する。ストラップなどの分かりやすい方法から、Bluetooth通信やGPS機能などのテクノロジーを活用したアイデアまで、一つ一つをあげるときりがないだろう。ただ多くのモノやサービスに共通するのは、何かしらのプロダクトのみで解決が試みられたことが多いという点である。

Trak-n-Return®はそういった取り組みとは全く異なるアプローチでロストに関する問題を解決することを試みるサービスである。それはテクノロジーを活用して、探し主と探し手の関係を強化し、迅速な解決を試みるというものだ。


持ち主と探し主を結びつけてくれるサービス

紛失物を探す上で最も大変なのは、いつどこでそれをなくしてしまったかという点を把握することである。この事実ははっきりすれば捜索も大きく易しいものとなるが、いつなくしたのかわからないとなれば、膨大な時間を割いてしまうことになってしまう。

そのような場合は自力で探し出すことは困難で、結果的に交番へ届けられるのを待つなど、第三者の力を借りることが解決のケースとして多くなってくるだろう。どれだけ対策をしていても、いつの間にかなくなったというケースには人の手を借りることが現代でも変わらないのである。

Trak-n-Return®はその点に注目し、なくした人と見つけた人のコミュニケーションを強化できるようなサービスを展開している。ユーザーはあらかじめ失くしたくないと思うものにPINコードの書かれたタグやステッカーを取り付け、そのコードによって個人情報を紐つけするという仕組みだ。

ロストバゲージやペットの行方不明に対応できる新しい位置情報サービス「Trak-n-Return®」


あらかじめTrak-n-Return®を利用しているユーザーは、もし失くしたくないと思っていたものを失ってしまった時でも、まずはTrak-n-Return®のwebサイトに登録していたPINコードを入力し、失くしたということを報告する。すると登録されていた紛失物が見つかった際に、見つけた人はそのPINコードを入力するだけで元の持ち主に紛失物が見つかったことが通知され、交番やどこかの施設に連絡せずとも直接コミュニケーションを取ることでスムーズに持ち主の元へ紛失物が帰っ
てくることになるのである。

様々な応用方法が想定されるTrak-n-Return®

いわば、言葉を話せないモノにIDを与えるようなサービスとも言えるかもしれない。迷いびとやある程度言葉が話せる迷子の子供であればその人の家や親を直接聞き出すこともできるかもしれないが、財布やスマートフォン、カバンなどであればそううまくはいかない。そこでTrak-n-Return®のPINコード連携システムを利用することで、言葉を話せない紛失物に持ち主の情報をある程度与えることができるようになるのである。

ロストバゲージやペットの行方不明に対応できる新しい位置情報サービス「Trak-n-Return®」


この仕組みは日常的な紛失物以外にも、旅行の際のロストバゲージや子供のID情報を安全性を伴って付与する際に役立つ方法であると考えられる。タグに表示すべき情報はPINコードに集約することができるため、むやみやたらと自分の見知らぬ場所で他人に住所や電話番号などを盗み見られてしまう心配もない。

また、荷物だけでなくペットの行方不明にも大きく貢献できることが期待されている。犬や猫も小さな子供のように、言葉が話せずとも自分の意志を持っているために何処かへ行ってしまうことは珍しくない話であるが、彼らの首輪などにPINコードを吊り下げておけばコードから連絡が入るのを待つだけで済むのだから、労力や時間の節約につながることになるだろう。

ペットに関しては皮膚にICチップを埋め込むタイプが主流であるが、最近ではああ行ったチップもうまく動作しないという報告も増えてきている。古典的ではあるがスムーズな連絡が取れるPINコード方式を導入することで、確実なペットの保護が可能となるだろう。

Trak-n-Return®は現在kickstarterで出資者を募集しており、5千ドルを目標金額に設定している。サービスはまだ試験的なもので、アメリカ国内だけでの展開を今回のプロジェクトでは想定しているが、将来的には全世界での活用が期待されるサービスであると言えるだろう。