横幅の広いワイドタイヤで普段使いにも最適な電動スクーター「Wide Wheel」
一方のキックボードのような人力スクーターや自転車はどうだろうか。ハンドルを掴みながらキックの力で道路を走るのは便利だし、何よりそのコンパクトさは電車や車にも積み込めてしまうメリットにも繋がっている。しかしながら人力ゆえに動かすための労力は大きく、長距離の移動や真夏日は避けたい選択肢でもある。
今回紹介する「Wide Wheel」はいわゆるスクーターに分類されるのだが、こちらは電気の力によって駆動する電動スクーターで、スポーツよりも普段使いの移動にフォーカスを置いた生活密着型のモデルだ。
安定性の高さが売りの電動スクーター
より安全で、移動しやすく快適、そしてすべてのユーザーにとって親しみのある存在であることをミッションに掲げられたこのプロダクトは、名前にもあるようにその太く特徴的なホイール部分がポイントとなっている。
自転車もバイクもスクーターも当てはまるのだが、二輪車はその構造上、四輪車や三輪車に比べて重心が安定せず、搭乗のためには少々コツが必要になってくる。そこでその安定性を少しでも向上させるために考案されたのが、幅の広いホイールタイヤだ。
Wide Wheelは一般的なキックボードよりもはるかに大きなタイヤを装着することで、二輪車とは思えない安定性を獲得することに成功したのである。
また、バイクや四輪自動車と同様にサスペンションも搭載されているため、些細なひび割れや路面の悪化程度ではその乗り心地が大きく減退する心配もない。バイクのような快適さと、キックボードのようなコンパクト性と安定性を兼ね備えているのもポイントだ。ホイール部分はアルミニウムとマグネシウム合金製となっており、軽量化も試みられている。
また、小型ながらもスピードはかなりの速度まで上昇させることができ、最高速度は時速35キロと人力ではたどり着けない速度まで到達することができる。そのスピード感は、以下の動画からでも確認できる。
重量は最大100キロまで対応可能、傾斜は15度まで登ることができる。
随所に見られる次世代的な高機能性
かなりのパワーとスピードが出るということはそれだけ安全性にも気を配らないといけないということだが、Wide Wheelは120ミリワイドブレーキディスクと高級ブレーキキャリパーを統合してブレーキシステムに採用している。そのためブレーキ機能に関しても優れた力を発揮してくれるのである。
バッテリーはリチウムイオンバッテリーを採用し、一つのバッテリーで最大15キロメートルの距離を走行することができる。少なくとも近所への散歩や通勤などには十分な距離を走行できることは間違いなさそうだ。また、オプションである大容量バッテリーを搭載すれば、その二倍の30キロメートルにまで走行距離を伸ばすことも可能だ。
本体はアルミダイキャストモデルとなっているため、軽量であるだけでなくその強度も十分に備えている。長期間使用している時になるのはやはりその耐久度だが、その点においてもWide Wheelは十分なクオリティを保証してくれそうだ。
一般的なキックボードと同様、ハンドル部分は折りたたんで収容してしまうこともできる。これによって登場しない時は折りたたんで保管しておいたり、自動車に搭載したり、公共交通機関に乗車したりすることも容易になるだろう。折りたたみ機構には特許取得済みの特殊な機構が用いられており、いとも簡単にハンドルの出し入れが可能となっている。
使われている機構は特殊でも、パーツ数の少なさや削り出しのパーツが多いことから、そのお手入れも簡単だ。自動車やバイクはその機構の複雑さからプロフェッショナルによる検査が欠かせないが、Wide Wheelは自宅で簡単にメンテナンスを行うことができる。そのためバッテリー、ハンドル、モーター、ライト、タイヤ、ホイールと、何らかのパーツが故障したり破損してしまっても、そのパーツを入れ替えるだけで修理が終了するため、パーツさえ用意すればすぐにまた走り出すことができるだろう。
Wide Wheelのライトはヘッドライトとブレーキライトが存在し、どちらもLEDで長寿命かつ光量も申し分ない。もちろん電気駆動であるためガソリン車に比べて音も小さい上に油汚れもなく、何より環境へのダメージも小さく済ませることができる
現在はクラウドファンディングサイトであるIndiegogoにて出資者を募っており、通常価格648ドルのところ、そうき出資者はその半額以上に当たる308ドルで購入することができる。目標金額は2万ドルに設定されているが、すでに6万ドルの資金調達に成功している。
日本においても車離れが都心部において進んでおり、車の代わりになる乗り物への模索も進みつつある。Wide WHeelのような高機能電動スクーターを一台持っておいても、密度の高い日本の都市部では大いに役立つことになるのかもしれない。