家を留守にする際の頼もしいお友達「Kevin」
しっかりと対策をあらかじめ行なっていればそういったトラブルに巻き込まれる心配もないが、厳重な用心をいつ起こるか、そして本当に自分の身に降りかかってくるかどうかわからないのにもかかわらず大きな予算をさくことはできない。
そんなリーズナブルで効果の高いセキュリティを求めるニーズに応えるようにして開発されたガジェットが、バーチャルルームメイトの「Kevin」だ。
不在時の留守番をしてくれるIoTデバイス
アメリカやヨーロッパにおいて空き巣被害はもはや日常とも言えるほど頻発している犯罪で、欧米人は生きているうちに一度か二度は平均して被害に遭うと言われている。
それほど犯罪が溢れているのにもかかわらず、なぜ対策を講じないのかと思われてしまいがちであるが、理由として大きいのは一つに徹底したセキュリティ対策を行えるほどのお金がないこと、そしてセキュリティ用のカメラを設置したくないということが挙げられる。
従来のセキュリティは、全て家の主が不在の時にトラブルが起きないよう家を管理するというもので、それゆえに管理コストがかかっていた節もある。しかしながらKevinがオーナー不在の際に行ってくれるのは、さも家が不在でないかのように人間の生活をシミュレートすることだ。人間の存在感を外へアピールすることで、不在時の侵入を狙う空き巣被害を抑止するというのが狙いの発明である。
外へ人間不在の家に生活感をアピールする方法には様々な手段が講じられる。例えば光を放出して自然に点滅させることにより、TVがつけられていると思わせたり、時折光に影を作ることで人影が動いているように見せることもできる。また、視覚的に人の存在が不明な場合でも、音をしきりに立てることで人の存在をシミュレートしてくれるのである。
Kevinの取り扱いも非常にシンプルである。まずKevinを人の目につきやすいところに設置する。ベランダや大きな窓があるリビングやキッチン周りにセットすることで、視覚的な効果を発揮できるようになるのだ。
あとは電源につなぎ、スイッチを入れて初期設定を完了するだけで動作するようになる。その間5分とはかからないはずだ。
KevinはIoTデバイスでもあるため、遠隔操作を行うこともできる。本体にも電源スイッチが備わっているが、専用のアプリケーションをダウンロードすることで自身のスマートフォンから自在に操作することができるようにもなる。
様々なかん今日にも適応できるKevin
こういったデコイタイプのセキュリティの最大の欠点は、動作が単調であるためにそれが本物の人間ではないとわかると逆に留守であることを知らしめてしまう点にある。しかしながらKevinは様々なシチュエーションでの使用を想定しているため、その日の天気やロケーション、使用言語に応じて生活感の演出方法を自在に切り替えて留守番をしてくれるのである。
現在対応している言語は英語とドイツ語だけであるが、いずれは他言語もダウンロードコンテンツとして配信される予定だ。
Kevinが可能な光の表現も多様である。130ワットを上回るかのような白熱電球の光量と、完全なRGBカラー表現によって、テレビが映し出せれているかのようなリアルな光の動きや、様々な視覚効果を車のヘッドランプにも相当するような光量とともに外部へアピールしてくれる。
Kevinは家庭用だけでなく、好みに合わせてオフィスモードにも切り替えることができる。オフィスモードではテレビの表現などの代わりに、ややフォーマルな効果を演出してくれるため、家庭外での使用にも最適な一台となってくれるはずだ。
セキュリティガジェットの使用において懸念されるのは、スイッチの入れ忘れである。特に家庭用の場合は手動でセキュリティをオンにするか、常時つけっぱなしであることが求められがちであるのだが、IoTデバイスでもあるKevinは無人であることを察知すると自動でセキュリティモードを起動し、家の安全確保に努めてくれるのである。
もちろんスマートフォンを使えば外出先からでもパワーのオンオフをコントロールすることが可能であるため、仮にスイッチを入れ忘れたと気づいた場合でも、アプリ上で確認することも可能だ。
Kevinは現在Kickstarterで出資者を募集しており、一台あたり3万円弱の出資でKevin一台をリワードとして受け取ることができる。
Kevinのプロトタイプはすでに完成しており、あとは生産を進めていくだけの段階に到達している。生産の段階で何らかのトラブルが発生しない限りは、出資者の元へ予定通り送り届けられるとのことだ。
発送は2018年の12月を予定しており、生産が終わり次第発送が開始されるとのことだ。