カラオケ体験をいつでもどこでも楽しめるようになるマイク「Xile-kk」

カラオケはもともと日本で楽しまれていた娯楽の一つであるが、今や欧米を中心に世界中で楽しまれているカルチャーになっている。自分の知っている曲に合わせて歌うことは楽しいものだが、カラオケを楽しむために必要なのがボーカルの入っていない楽曲である。

一般的に市販される楽曲はボーカルが入った状態で販売されるため、カラオケを楽しむためにボーカルの入っていない曲を手に入れるためには、ライセンスをとってリメイクされたカラオケ屋で提供されているインストに合わせて歌うのが一般的である。

一方で楽曲を加工してボーカル入力を消してしまい、ボーカルのない曲を作ってしまうという手段もあるが、これは少し技術が必要な上に手間もかかるため、手軽にカラオケを楽しむというのは難しいものである。

しかしながら「Xile-kk」の登場により、ボーカル加工のわずらわしい手間が消滅するばかりか、カラオケ屋へ足を運ぶ必要もなくなるかもしれない。


スマートマイクでお手軽カラオケ

Xile-kkはスマートフォンなどに接続可能なBluetooth接続のマイクで、好きな楽曲を再生すると自動的にボーカルを消してくれるという優れものだ。いわゆるスマートマイクと呼ばれるプロダクトで、マイクが楽曲のボーカルの部分を自動で判別し、マイクを握る歌い手がボーカルとなれるようにサポートしてくれる。

Xile-kkは二つのBluetoothモジュールから構成されている。一つはスマートフォンや音楽プレーヤに接続し、もう一つは音楽を出力するためのスピーカーなどに接続することで環境をセットアップできる。

あとは再生ボタンを押し、ボーカルの入っていないBGMに合わせて歌うだけということで、高度な技術が用いられているのとは裏腹に使い方は非常にシンプルだ。

あるいはマイクにイヤホンを接続して、スピーカーではなく直接耳元に自分の声とBGMを出力することもできる。Xile-kkにはイヤホンジャックも設けられているため、直接手持ちのイヤホンやヘッドホンをマイクに有線で接続し、あとはBGMに合わせて歌うだけだ。

最近は日本において「一人カラオケ」が流行しているというムーブメントもあるが、一人で歌いたい時にわざわざカラオケ屋に行くのは億劫に感じることもあるだろう。Xile-kkのように場所を選ばず、イヤホン出力で歌える環境を与えてくれる存在は、特に日本人にとって大きな存在となる可能性を秘めていると言えるだろう。

カラオケ体験をいつでもどこでも楽しめるようになるマイク「Xile-kk」


一人カラオケだけでなくとも、Xile-kkは様々なシチュエーションで活躍することが期待される。例えば長距離のドライブはそのポピュラーな例であると言えるだろう。

観光バスにカラオケボックスが接続されているシーンをよく見かけるのと同様に、ドライブとカラオケの相性は良いのだが、一般的な乗用車にカラオケボックスを積み込むことは難しい。

しかしながらXile-kkがあれば手持ちのスマートフォンとスピーカーを用意するだけで、普通の自家用車でもカラオケを楽しむことができるようになる。レジャーの際は移動時間がネックとなりがちだが、このスマートマイクのおかげでそんな時間も楽しく過ごすことができるようになるだろう。

カラオケ体験をいつでもどこでも楽しめるようになるマイク「Xile-kk」


カラオケ屋のあり方を変える可能性も

あるいは手軽にカラオケを楽しめるようになったことで、日本のカラオケショップのあり方を変える可能性もあるかもしれない。これまでは駅前を中心に多く存在していたカラオケ屋だが、自宅で手軽にカラオケが楽しめるとなれば、今ほどのカラオケ屋へのニーズは維持されないかもしれない。

そうなるとカラオケ屋の淘汰が始まるだけでなく、今とは異なるカラオケショップのあり方が生まれるきっかけになるかもしれない。つまり新しい付加価値、わざわざカラオケショップに訪れるメリットを拡大させて行く必要が生まれてくるということだ。

確かにカラオケ屋は歌う環境に特化した施設であるため、優れた防音設備や質の良いスピーカーといった設備は個人では用意できないものであることは確かだ。しかしながらそこまでこだわりのない人をカラオケショップに訪れてもらうためにどうすれば良いのかというのは、Xile-kkのようなプロダクトが身近になりつつある以上はいずれ考えなければならない問題である。

Xile-kkは現在Kickstarterで出資者を募っており、10万カナダドルを目標金額に設定している。100ドル以上の出資でリワードとしてXile-kkを入手することができるため、家庭で手軽にカラオケを楽しみたい人はもちろん、カラオケショップ運営者にとっても次世代のカラオケのあり方として一台は手に入れて、研究を深めていくことは無駄にならないだろう。