わずらわしいトイレ掃除はロボットにお任せ「SpinX」
日々の小さな問題を解決してくれる存在とは重箱の隅をつつくようなものであるだけに機能が限られており、大きな企業からプロダクトが生まれることも少ないものだが、クラウドファンディングを通じて進んでいるこの「SpinX」プロジェクトは、インターネットによる資金調達が可能となってこそ実現したものであるとも言える。
最も厄介な家事を自動化してくれるSpinX
SpinXはトイレ掃除を自動化してくれるデバイスである。トイレ掃除といえば汚くわずらわしいもので、掃除することそのものに手間がかかるのはもちろん、事前に手袋をつけたり専用のブラシを用意したりなど、掃除のための準備にも何かと時間と手間をかける必要がある厄介な家事の一つだろう。
かといってトイレ周りの掃除を怠れば、家庭内の衛生環境は著しく低下し、かつ汚れがしつこくなることで掃除の手間が増してしまい、たまの掃除では満足のいく清掃効果が得られなくなってしまう。
SpinXはそんなトイレ掃除をもはや手動で行う必要もなく、完全に自動化することで毎日の家事のタスクを一つ減らしてしまうほどの効果を持っている。SPINXが一台あれば、家庭のトイレは常に輝きを放った状態に保ってくれるとのことだ。
SpinXは洋式トイレのカバーと便座を取り替えることで使用することができる。トイレのパーツの取り替えなどは普段の生活ではなかなか行う機会も少なく、難しいものと思ってしまいがちであるが、単純に普段の生活でそれをやる機会がないだけで取り替えそのものは実に簡単である。そのためSpinXの導入のために大きな手間をかける心配はない。
通常のものに比べるとややユニークな形状をしているこのカバーは、二つの機能を有している。
一つはトイレットボウルを掃除してくれるロボットアーム、もう一つがシートの雑菌をクリーニングしてくれる水を噴射してくれるシステムで、これには噴射した水を乾燥させるためのドライヤーが後に続くよう設計されている。
これらの機能によって、SpinXは私たちの時間と手間をトイレ掃除に費やす必要を無くさせ、よりトイレの清潔度を向上させ、バクテリアや細菌から私たちを守ってくれる。機能を使用するためにはボタンを押すだけで完全に自動で清掃してくれるため、掃除による汚染の心配もない。
清掃にかかる時間は90秒ほどで、一度起動すれば何も終わりまで見届ける必要はない。
トイレ掃除に欠かせないのは洗剤の存在だが、SpinXは液体洗剤とタブレット洗剤のどちらにも対応している。そのため普段使っている好みの洗剤を使っても構わないが、長持ちする上に使いやすいタブレット型の洗剤をSpinXの開発チームは推奨している。
開発チームはオリジナルのタブレット型トイレ用洗剤もリリースを予定しており、一回のセットで約50回のクリーニングを行うことができる。洗剤の補充は手動になってしまうが、それでも補充回数が少ないというのは大きなコストカットになるだろう。
SpinXは電動で、バッテリー充電方式を採用している。30回の使用で一回の充電が必要になるが、バッテリーはカバーの先端に設置されているため、取り替えのためにいちいちややこしい場所にあるパネルを外す必要はない。頻繁に取り替えることを想定して、取り替えやすい場所にバッテリーを設置しているのは優れたデザインと言えるだろう。
長く過ごす場所だからこそ清潔に
人間は生涯のうちにおよそ3年分の時間を便座の上で過ごすとされており、家庭の便座はその3年のうちでも大半の時間を占めていることが想定される。だからこそトイレ掃除は重要であるのだが、皮肉なことにトイレ掃除は家事の中でも最も忌み嫌われる存在である。それだけ汚れが溜まりやすいという裏返しでもあるのだが、この点を自動化できるようになったのは私たちの衛生環境や生活レベルを大きく向上させるきっかけになるだろう。
SpinXは現在Indiegogoで出資者を募っており、すでに5万4千ドルもの資金調達に成功している。出資金額によってはSpinX本体をリワードとして手に入れることができ、219ドル以上の出資でSpinXを一台手に入れることが可能だ。
また、大きな家となるとトイレが二台以上家の中に存在することも珍しくないが、そういった家庭に向けて2台以上のSpinXがセットになっているお得なパックも存在する。
もちろん家庭だけでなくオフィスや仕事場のように人の出入りが多い場所であってもSpinXは非常に有効だ。むしろ、不特定多数の人が利用する業務用も兼ねたトイレの方が、SpinXのような自動クリーナーは重宝することだろう。