自動追尾で4K撮影可能な変形ドローン「PITTA」

今やすっかりポピュラーなガジェットとなってきたドローン。手持ちのコントローラーで空へ飛ばし、好きなように写真を撮ったりスピードや機動性能に注力してドローンレースマシンを開発するなど、その楽しみ方も様々である。

しかしこれまでのドローンには一長一短というキャラクター性が強く、例えば高画質で撮影できるドローンはサイズが大きく、コンパクトに持ち歩いたりバッテリーの持ちが悪いなど、その性能ゆえに強調される欠点も大きくなってしまうところも見受けられた。

PITTAはそのような一長一短の既存のドローンに比べてはるかに多機能で、かつ弱点の少ない優れた次世代ドローンと呼ぶことができるプロダクトである。

自動追尾で4K撮影可能な変形ドローン「PITTA」


世界にも類を見ない多機能ドローン

PITTAの特徴は、まずはそのフォルムから伺うことができる。普段はただの球体として持ち運べるのだが、ドローンとして飛行させる時には、パーツを付け替えてプロペラを装着し、自由に空を飛ぶことができるようになるのである。

そして普段球体であるという点にも大きな意味が存在する。球体の方がプロペラを取り付けている時に比べて持ち運びやすいということもあるのだが、球体の状態だと手で握って撮影したり、地面に設置、あるいは撮影用アクセサリーにマウントして使用することができるなど、多様な使い方を実現することができるのである。

PITTAは手持ちカメラであり、フライングドローンであり、ウェアラブルであり、マウンタブルであるという、これ一台で何台ものドローンやカメラと同等の働きをしてくれる。

一般的なドローンであれば使用は屋外の撮影に限られるなど、その用途には限定的な側面も持ち合わせていた。しかしPITTAはその点を克服し、いつでもどこでも様々なシチュエーションに対応できるドローンとして誕生したのだ。

自動追尾で4K撮影可能な変形ドローン「PITTA」


重量約200グラム、全長170ミリのPITTAが採用しているカメラは4K撮影が可能なモデルである。加えて最新のスマートフォン用カメラにも取り入れられているような、60FPS撮影やスローモーション、バースト撮影、タイムラプス、ライブストリーミング機能、そしてSNS連動機能も搭載されているため、スマホで撮影するような利便性をPITTAにも感じることが可能になっている。


セルフィー用のマウント機材に設置して、アクションカメラのようにしようすることもできる。このアクションカメラモードの場合は飛行のためのバッテリーを消耗することがないため、100分を超える長時間撮影にも耐えることができる。(飛行時は約15分)

カメラだけでなく、フライングドローンとしての性能もPITTAは優れていると言える。PITTAはよくあるドローンのように専用のアプリケーションから手持ちのスマートフォンで操作することができるということに加えて、自動操縦機能も備わっているので、ハンズフリーで撮影を楽しむことができてしまうのである。

自動追尾で4K撮影可能な変形ドローン「PITTA」


自動操縦と聞くと気になるのが自律飛行性能の問題である。PITTAはこの点においても高い性能を発揮し、土地の高低差認識やホバリング機能、ターゲット周回機能やパノラマ撮影機能を活用して縦横無尽の飛行撮影が可能だ。

さらに内蔵のGPS機能を活用して、PITTAを見失った際にも現在地を所有者が把握したり、飛行しているようであれば直接所有者の元まで帰ってくることもできる。

この機能を活用すれば、バッテリーの続く限り電波に有効範囲を制限されず、自由に奥地の撮影が可能になるというわけだ。

自宅でも能力を発揮してくれるPITTA

さらにPITTAが他のドローンと一線を画している機能として、ホームセキュリティカメラとして使用することができてしまう点だ。

自動追尾で4K撮影可能な変形ドローン「PITTA」


ドローンにホームセキュリティを担わせるというのはイメージがつきにくいかもしれないが、充電台の上に設置するだけで、そのコンパクトな球体であるという特性から自由に室内を監視することも可能になってしまうというわけだ。

WiFiによる接続を通じて、電源供給が保たれている限り半永久的に室内を監視し続けられるPITTAの映像は、もちろん専用のアプリケーションからいつでも視聴することができる。

仕組みとしては既存のドローンでも十分可能であったのかもしれないが、実際に機能として採用されているドローンはPITTAを含めて世界に数少ないモデルであると言えるだろう。

PITTAは現在Kickstarterで出資者を募集しており、目標金額は5万ドルに設定されていながら、すでに20万ドルを超える資金調達に成功している。

50万ドルの調達の成功でカラーバリエーションの追加、100万ドルの調達で防水機能の追加を約束しており、出資者が増えれば増えるほどその性能やコストパフォーマンスも向上していくという仕組みだ。

PITTAは289ドル以上の出資で1台購入することができ、プロペラガードが付属するフルパッケージモデルは319ドルで入手可能だ。

調達額からもわかるように、PITTAの注目度はドローンのプロジェクトの中では高いものに入る。コンパクトで多機能なドローンは大型で高性能なドローンよりも購入しやすく、お試しでドローンに触れてみるのにはちょうど良い存在であるということなのだろう。

発送時期は2018年の5月が予定されている。