アメリカのネットワーク機器メーカーのエクストリームネットワークスは、世界のCIOやIT部門責任者を対象としたIoT導入に関する調査結果を公表した。調査によると8割近くがIoTを導入済みで、ビジネスとしてはスマートビルティングへの導入が多くを占めた。IoTは収益増とコストダウンにつながるものとの認識がある一方、セキュリティやIoTデバイスの管理などを懸念していることが明らかになった。
調査は世界中のさまざまな業界のCIOやIT部門責任者を対象として行われ、回答者の業界はサービス業が25%、教育関連が24%、行政が11%となり、製造と医療、小売業はそれぞれ5%。地域的には北米とヨーロッパ、中東、アフリカ地域が大半を占め、日本やアジア、南米は10%程度となっている。
調査によると、IoTの導入に関して、導入済みが79%、未導入が21%。IoTを利用したビジネスではスマートビルティングソリューションが最も多い50%。映像監視やエネルギー管理、ビルセキュリティ、遠隔ビル管理、スマート照明等のビルへの導入が進んでいる。このほか、より良い判断をするための映像監視(48%)やデータ収集(44%)などを優先事項としており、位置追跡や顧客サポート、サプライチェーン管理、製造オートメーションなども視野に入れている。
企業がIoTを導入するメリットに関しては、収益増加とコストダウンが最も多い30%。事業への将来的なメリットが22%、コスト削減が18%。メリットはないという回答も17%あった。
導入に関する懸念事項は、セキュリティが58%とトップ。その中身はデータのプライバシー保護、悪意ある操作や乗っ取りへの対策、ネットワークに入るデバースへのポリシー設定、サービス中断の可能性、データ統合の煩雑さなどが上がっている。IoTデバイスの管理が38%、コストや投資回収率が37%、IoTへの理解度強化が32%、IoTデバイスの接続性が28%に懸念や不安があるとしている。
同社のボブ・ニルソン氏は「大多数がすでにIoTを導入しているか、導入を検討していた。スマートビルディングに関連したプロジェクトではスマート照明やエネルギーマネジメントがもっとも一般的で、映像監視やデータ収集プロジェクトがそれに続いている。懸案事項や難点でいえば、デバイスのセキュリティという課題が他を圧倒している。データのプライバシー、悪意のある操作や乗っ取りの脅威、サービスの中断、データ統合などはすべてIoT導入にあたってCIOが直面した問題点となっている」と総括した。