ホームロボット「Olly」
音声命令や表情から個々に合わせた環境を構築

2016年からAmazon EchoやGoogle Homeといった音声アシスタントデバイスが増えて、2017年には日本でも馴染み深いLINEが同様のデバイスを販売すると発表している。デバイスに音声で直接指令を出して音楽をかけたりオンライン注文をしたりと今後様々な場面で役立つことが期待できる。


今回紹介する「Olly」は音声で指令を出すことができるデバイスで、さらに表情を読み取りユーザーにパーソナライズした環境を提供する。指令に応えるだけではなく、ユーザーとより深い対話を可能にしたホームロボットだ。

声で指令をだせるホームロボット「Olly」

ホームロボット「Olly」音声命令や表情から個々に合わせた環境を構築


Ollyはユーザーの利用環境に合わせて進化するホームロボットだ。指令に応えるだけでなく、機械学習機能を使ってユーザーのルーティーンを積極的に強化する機能が備わっている。たとえばユーザーが日ごろからヨガをする習慣があれば、Ollyは利用者の心地よい呼吸感覚に合わせてヨガをサポートする。体を鍛える習慣があれば腕立て伏せの回数をカウントしてくれたり、起きるのが苦手な人には二度寝しないように何度も声を掛けてくれたりする。さらにOllyは独自のAIシステムを搭載していて、ユーザーの感情を認識してシステムを調整可能だ。様々な機能を活用してユーザーの生活習慣に合わせたパーソナライズシステムを提供する。

Ollyは現在、クラウドファンディングサイトIndiegogoでプロジェクトを立ち上げて出資を募っている。目標金額は100,000ドル(約1,125万円)で、終了予定は2017年10月26日だ。希望小売価格は699ドル(約7.8万円)だが、499ドル(約5.6万円)の早期支援プランでOllyが1台贈られる。アメリカとイギリス以外への発送は30ドル(約3,300円)かかり、2018年3月の発送を予定している。

感情の分かるホームロボット

ホームロボット「Olly」音声命令や表情から個々に合わせた環境を構築


Ollyは感情を読み取り反応するユニークなAIシステムを備えている。Ollyを利用するユーザーの特徴や雰囲気をつかんでアクションをユーザーの習慣に順応させていく。ユーザーの反応を見て行動を変化させていくので、Ollyにたくさん反応を返すほどパーソナライズしたシステムを受け取ることができる。Ollyと一緒に運動すればユーザーの疲れている反応を読み取り休むのに良い時間を通知してくれたり、音楽再生中にユーザーが眠そうなら静かな音楽に変更したりと習慣に合わせて変化するサービスを提供可能だ。

Ollyは感情認識システムを利用して、ユーザーの様々なルーティーンをサポートしてくれる。まず例として挙げられるのはユーザーのモチベーションのサポートだ。ユーザーの運動時のルーティーンや目標を認識して、的確な時間に的確なアドバイスする。たとえば腹筋を1日30回することが目標なら腹筋回数のカウントなどをサポート可能だ。またリマインダー機能でイベントや約束事をユーザーの代わりに覚えることもできる。ユーザーを楽しませるサポートとして、その日の気分に合わせて音楽を流してくれるということも可能だ。家で心地よく過ごせるサポートでは、ユーザーの声のトーンや雰囲気を察知して話し相手となり、励ましてくれることもある。就寝・起床時も日ごろの習慣を見てサポートしてくれる。就寝時に照明の電源をオフにしたり起床時に音楽を流したりといったことも可能で、「おやすみ」や「おはよう」の挨拶もしてくれる。一人暮らしでも話し相手になってくれるホームロボットだ。


しっかりした認証システム

ホームロボット「Olly」音声命令や表情から個々に合わせた環境を構築


Ollyが認識するのは表情だけでなく、声のイントネーションや言葉のパターンを理解してユーザーの気持ちを読み取る。そのためユーザーが嬉しいのか悲しいのか様々な角度から分析し、雰囲気に合わせたサービスを提供可能だ。Ollyとの触れ合いが人間とするような自然な形で成り立つように開発側は尽力したとのことだ。Ollyは聞くだけでなく見たものを認識して反応するので、指令を受ける以外にもアドバイスや声かけなどバリエーション豊かな会話ができる。たとえばユーザーが本を読んでいると読書中であることを認識して「何を読んでいるのですか」といった会話を投げかけてくる。視覚を組み合わせた認識システムで、より精度の高いパーソナライズド体験を提供する。また現在していることを認識するだけでなく、ユーザーがその次にすることを学びアクションを起こす。次に起こるシチュエーションを予測し、提案するという機能も備わっている。

音声などで指令を出すデバイスは、ユーザーからの指令をしっかり受け取れることが重要だ。Ollyはビームフォーミング技術を採用したマイク配列でユーザーの位置を的確に把握。部屋の種類や障害となる可能性のあるモノなど周囲の環境をスキャンして分析する。優秀な音声認識機能を備えたホームロボットとなっている。

声で指令を出すだけでなく表情や声のトーン、雰囲気を観察してアドバイスなどしてくれるOlly。多彩な認証システムでユーザーにパーソナライズした環境を作るので、自分だけのホームロボットになりそうだ。