ロボットアーム「Z-Arm」
カッティングや3Dプリンターに応用可

自宅のペットの様子を監視してエサをあげたりボールで遊んだりするものから、自分好みのコーヒーを時間帯によってブレンドを変えるものまで、IoT技術は身近なものに使われることが多くなった。


IoTは既製品を購入するだけでなく、消費者が自由にプログラムして必要とするシステムを実現するというパターンも多い。そのためIoT用の小型コンピュータやプラットフォームもどんどん提供が進んでいる状況だ。IoTシステムを導入するうえでモノをつかんだり移動したりするロボットアームも欠かせない部分だ。しかしロボットアームは価格が高く、場合によっては導入が難しいという課題がある。 今回紹介するのは十数万円で購入できて様々な役割を果たすロボットアーム「Z-Arm」だ。

多くのタスクを処理する「Z-Arm」

ロボットアーム「Z-Arm」カッティングや3Dプリンターに応用可


Z-Armはデスクトップワークステーションのロボットアームで、精密かつ耐久性がありロボットを活用する際の安全機能が内蔵された作り手に優しい製品だ。多目的に取り付けることができ無数のタスクに応用できる。プロジェクトページでは使用例として、カッティングや3Dプリント、はんだ付け、パーツの組み立てなどができると示唆されている。

Z-Armは現在、Kickstarterでプロジェクトを立ち上げて出資を募っている。目標金額は100,000ドル(約1,114万円)でプロジェクトの終了予定は2017年10月30日。2017年9月20日時点ですでに目標金額を達成している。1,299ドル(約14万円)の支援からZ-Armが1台と割引価格のアドオンが贈られる。発送は世界各国を予定しているとのことだ。

Z-Armの応用例

ロボットアーム「Z-Arm」カッティングや3Dプリンターに応用可


Z-Armにはインテリジェントな頭脳が搭載されているので、多くのタスクを処理することが可能だ。日常のちょっとしたことから製造工程のヘルプまで、設定次第で様々なことに応用できる。たとえばプロジェクトページに挙げられているだけでも「3Dプリンター」「ドリル」「ねじの取り付け」「レーザー」「はんだ付け」「バキューム」「ねじの取り外し」などに活用可能。アームの先端部分のアドオンを付け替えることで、Z-Arm出来ることを拡張できる仕組みだ。

レーザーを使うことで誕生日ケーキに好みのイラストを描き、3Dプリンターで完成予定の模型を作ることもできる。さらに複数のZ-Armを活用してそれぞれ異なる指令を出せば、制作過程を自動化することも可能だ。スマートフォンやタブレットなどタッチスクリーンを操作できるアドオンもあり、Z-Armとアプリゲームで対戦プレイをするという楽しみ方がある。またタッチスクリーンを操作できる機能を活かせばZ-Armにタブレットを操作してもらって、2人じゃないとできない作業もできる。想像力次第で無限に機能を活かせるロボットアームとなっている。

Z-Armの性能

ロボットアーム「Z-Arm」カッティングや3Dプリンターに応用可


Z-Armは0.02mmの精度があり速度は毎秒430度、作業負荷は2Kgまで可能で、400mmの最大到達範囲を備えたデスクトップワークステーションだ。優秀な性能を備えつつ約14万円で入手できることに加えて、人間や他のZ-Arm数台と協力して稼働できる点もZ-Armの魅力となっている。 Z-Armが協力して使う際に安全面を考えて、Z-Arm本体をコンパクトに設計しているとのことだ。全て金属製のボディはコンパクトながらも3番目のアームが360度回転するため、作業エリアが広がり効率的に作業できるという。これにより多様な目的と異なるタスクに対応できるとのことだ。

さらに電動グリッパを備えることで精度の高い作業を可能にしている。電動グリッパの使用で高精度な高い把持力や位置把握、速度制御を実現でき、空気を動力源としているエアー機器よりも高機能なシステムを提供する。この機能によって細かい部分のレーザー作業や3Dプリンターが可能になっているとのことだ。

Z-Armの使い方

ロボットアーム「Z-Arm」カッティングや3Dプリンターに応用可


ロボットアームを使用する際に課題になるのは使用方法が複雑という部分だ。通常ロボットアームを使用するときは、プログラミングに関する多大な知識やプロプライエタリシステムへの理解を要する。Z-Armの開発元は特別な知識を持った人しかロボットアームを利用できないという状況を変えるため、アプリでシンプルにコントロールできるシステムを導入している。スマートフォンやタブレットといったスマート機器で動くユーザーフレンドリーなシステムで、Z-Armの使用方法をシンプルにしている。アプリの操作画面は図形を使っていて視覚的にも分かりやすく直感的な操作が可能だ。スマート機器のアプリだけでなくパソコンからZ-Armをコントロールできるので、利用者の好みのスタイルに合わせて操作できる。

操作をより簡単にするため、Z-Arm本体をつかんで動きを教える機能も搭載されている。この動きをZ-Armが覚えてアクションを再現することが可能とのことだ。アプリで動きを設定することが難しい人は、Z-Armに動きを手動でガイドすればどのように設定すればよいか悩んでいる時間の節約になる。先進的な製品ながら多くのユーザーにロボットアームの利用を促すユーザーフレンドリーな製品だ。