金融機関は融資業務の専門知識やノウハウの次世代行員への承継に加え、環境変化や時流に応じた業務の効率化と、サービス品質の向上が求められている。地域金融機関においては、人財リソースが限られるなか、顧客への対応力を含めたサービスの高度化が重要テーマとなっている。
融資業務は人手による判断や書類確認が中心で、業務負荷の増大や属人化による業務品質のばらつきといった課題がある。近年は多くの金融機関で生成AIの利用が進んでいるものの、それら課題の抜本的な解決には、多岐にわたる専門性に対応し、タスクを自律的に遂行するAIエージェントの活用が不可欠だという。中国銀行と日立は25日、融資業務プロセスの自律化を実現するための協創を開始した。
今回の取り組みは業務プロセスの分析・判断、最適化までの流れにAIエージェントを適用し連携させることで、人力業務の段階的な自律化をめざすもの。人とAIの協働により業務負荷の軽減を図ることで、いずれ年間数万単位の業務時間削減が可能だと試算している。創出された時間や人財リソースは、行員と顧客との各種コミュニケーション機会に充てられ、課題解決に向けた提案活動の強化に生かせる。
担当者意見の作成(申込・稟議)、融資実行の事務作業(契約・実行)、モニタリング時の財務分析(モニタリング)といった3つの業務プロセスを起点とした実用性の検証を行い、業務統括エージェントによる業務遂行や、AIエージェントの増強による自律化対象範囲の拡大と他の金融機関への提供も見据えている。
AIエージェントの拡充により自律化する将来の業務プロセスとして、例えば行員の取引先訪問前の準備作業や、渉外記録から融資条件を抽出して稟議書ドラフトを自動作成する機能などを検討していて、段階的に検証を進めるという。両社は、同協創を通じて融資業務の自律化を推進し、行員が高付加価値業務に注力できる環境を実現していく考えだ。