情報通信
オール光ネットワークとオープンソースDBで分散型DCの実現へ
AI活用が進展している。その電力需要が増大する中、環境負荷低減と災害対策を目的にデータセンタ(DC)を各地に分散する取り組みが進められているが、現行の通信インフラでは、信号遅延により、遠隔DC間でのリアルタイム処理やAIモデルの分散学習などが難しい。
そこで総務省は2030年代のAI社会を見据え、低遅延・大容量・低消費電力を実現するオール光ネットワーク(APN)情報通信基盤の整備(同省PDF)を推進しているという。CTCとMRIは、「APN」とオープンソースの分散型SQLデータベース「TiDB」を組み合わせた分散型DCの実現に向けた共同検証を昨年10月に実施した。電力消費を抑制しながら、データ処理能力を高める次世代インフラの構築を目指す。
APNによる分散型DCは、複数拠点での効率的なデータ処理・保存を可能にし、災害時の迅速なデータ復旧や環境負荷の軽減に寄与する。通信・金融・医療など、リアルタイムかつ大容量の処理を要する分野での安定したサービスも可能にすると期待されている。今回、70km圏内接続を想定した2つの仮想DCと3区域(A・B・Cリージョン)を構築してデータ分散処理動作を検証した。
結果、上記APN環境においてTiDBが正常に動作し、3リージョン間でDBの更新データが遅延なく同期される、TiDBの冗長構成にてリージョンA障害時でもリージョンBとCでサービス継続できる、リージョンA障害発生時にリージョンBとCのクエリ実行は一時的に中断(TiDBの内部処理)されるが、その時間は数秒程度であることを確認した。
今般の成果を踏まえ、次年度は一層本格的に、ダークファイバを用いた長距離伝送の検証や、実運用シナリオに基づく技術評価を実施する予定だという。両社は、分散型DC実現に向けて、段階的に技術課題の解決に取り組みながら、将来的な商用サービスの展開を視野に検証を進めていく構えだ。