空からの3D-LiDAR画像で港湾施設の点検・維持管理を効率化

日本国内では高度経済成長期に造られた巨大インフラの老朽化が大きな社会課題になっている。その中で2000以上ある港湾施設の点検・維持管理は今、現地における手作業が主体となっていて、ベテラン技術・技能系人材の知見・ノウハウに依存した運用でもあり、大きな人的コストがかかっている。

また、それら人材の高齢化等により、作業人員の確保が困難になりつつある。そうした社会資本は、施設の維持管理に使える財源が限られていて、改良工事時や災害発生時以外では十分な点検作業を行えていないのが現状だという。

パナソニックアドバンストテクノロジーは、国交省SBIRフェーズ3基金事業に係る「国際競争力強化に資する交通基盤づくりに向けた技術の開発・実証」に採択された、DAOWORKS北海道大学NDSとのコンソーシアム(代表:DAOWORKS)によるプロジェクト「ドローンによる港湾施設の点検・維持管理の効率化と、災害時においても現状把握できる可視化の仕組みの技術開発・実証」について、今後4年間にわたりこれを推進する。

①ドローンでの3D-LiDAR/画像データを用いた遠隔点検システムの構築、②3D-LiDAR/画像データで得た情報をベースに、港湾施設の欠損情報等を位置情報と紐づけして3次元データ化し、リスクや緊急性の可視化、③3D-LiDAR/画像データという2ステップでの評価によるハードウェアに依存しないシステム構築を実施する。

同プロジェクトで4者は、それぞれの強み――DAOWORKSのデジタルコンテンツ開発や3次元データ活用の知見、北海道大学のドローンを活用した高精度地図生成の開発実績、NDSから港湾の点検・維持管理する事業者の立場で指摘、合わせてパナソニック アドバンストテクノロジーのモビリティー分野の開発技術をドローンの安定飛行のために活用――を生かして、技術開発・実証実験を推し進めていく構えだ。