企業におけるIT・各種デジタル技術の活用実態と課題は――

自社のIT投資が前年度よりも増加したと回答した企業は6割になり、過去20年の調査結果で最多、大手企業におけるIT投資の重要性がかつてない水準で高まっている。2023年度よりもさらに、24年度のIT投資は増えるだろう。およそ半数の企業がそう答えた――

一方、減少すると予測した企業は1割だったという。NRIは毎年恒例で今回21回目となる、国内企業におけるIT活用の実態を把握するためのアンケートを大手企業のCIOまたはそれに準じる役職者へ実施し、多彩な業種の459社から回答を得た。デジタル技術の導入状況について、「RPA」はその導入が約7割に達し、定型業務を効率化する普及版ツールとなった。

「ノーコード/ローコード開発ツール」の導入は約4割へと大きく伸び、プログラム開発を効率化したいニーズが見て取れる。「生成AI」導入済みは約2割で導入検討中が3割、それ以外のAI・機械学習の導入は約3割だった。生成AI活用の課題は、「リテラシーやスキルが不足している」との回答が最も多く、「リスクを把握し管理することが難しい」も6割強に上った。適用領域をさまざまな業務へ広げていく上でも、リスクへの対処は重要な課題だ。

IT・デジタル化人材の採用・獲得における課題は、「報酬や役職の面で、魅力的な処遇を提示できない」が約6割、「自社が確保したい人材像やスキル、レベルを定義できていない」が4割強。 その育成における課題は、「スキルを人材の評価に反映する仕組みがない」が5割超、「スキル向上・獲得に即したメリットを提示できない」が5割だった。

各社はデジタル化の推進で、まず必要な人材像を定義し、処遇や人事制度の枠組みを見直し、必要な人材の確保・育成にあたることが求められているという。NRIグループはこれからも企業のIT・デジタル化をテーマに、現状を明らかにしつつ課題の解決を多様な視点から推進・支援していく考えだ。