人工知能に対する理念を策定、AIシステムを高品質・高信頼化する

ITを駆使してさまざまな物事をより良くしていく。世界的な潮流であるDXとともに、AI技術の開発・活用の重要度が高まっている。一方で、AIの悪用や誤動作への懸念が広がっている。今日、AI活用に関する倫理・統制の必要性の声が高まってきている。

国内では内閣府「人間中心のAI社会原則」(PDF)、総務省「AI利活用ガイドライン」(PDF)、経産省「AI原則実践のためのAIガバナンス・ガイドライン」(PDF)といったAI原則の検討が進んでいる。海外でも欧州AI規制法案など法規制の流れが加速している。AIガバナンスへの対応は、AIを積極活用する企業にとって必須となっている。

DXについては、当社グループでもデジタル化を通じて、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーの実現に貢献することを目指していて、様々な社会課題の解決においてAIの適用を進めているという。東芝は8月30日、信頼できるAIシステムの開発・提供・運用を推進するために、同社グループの理念体系に基づき、AIに対する理念を7つの観点でまとめた「東芝グループAIガバナンスステートメント」を公開した。

重要インフラ等へAIを適用し様々な社会課題の解決を推進している。グループでは教育機関と連携した独自の教育プログラムを開発(19年11月記事)、AI技術者は本年度中の目標として掲げていた2,000人を超え、この度2,100人に達した。

また、AI技術資産をまとめた技術カタログを構築し、グループ保有のAI技術資産の利活用を促進する取り組みを進めてきた。現在200以上のAI技術が登録され、そのうち約50の技術に関しては公開サイトで社外にも開放している。東芝グループは、上記ステートメントの考え方に基づき、AIを開発・提供・運用できる人材の幅を広げ、AIシステムの品質を保つ仕組みづくりを強化し、グループのAIガバナンスの構築を進めていく考えだ。