ともに製薬業界の最適AI活用・データ収集解析を支援していく

医療ニーズの多様化が加速し、グローバルで新薬の研究開発競争が加熱している。各社画期的な創薬に取り組んでいるが、新薬開発の成功確率は年々低下し、開発コストは増加の一途を辿り、生産性は直近10年で5分の1の水準まで低下している。

製薬企業にとって、バリューチェーン全体の業務コスト削減と、新薬の着想から市場投入までの期間短縮は重要な課題となっている。デジタルトランスフォーメーション(DX)が鍵となっているが、現状、業務別システムによる運用コストの肥大化、部門ごとのデータサイロ化、企業内での標準プロセス・ツール不在による個別最適が効率化を阻んでいて、環境の整備が求められているという。

日本テラデータは、SAS Japanと、製薬業界で加速するDXに向け協業することを今月22日に発表。クラウドネイティブなAIプラットフォーム「SAS® Viya®」と、ハイブリッド/マルチなクラウドデータ分析プラットフォーム「Teradata Vantage」を連携し、同業界におけるデータ収集からAIを活用する高度なデータ解析処理の実装までのアナリティクスライフサイクルをワンストップで実現するAIソリューションを提供する。

製薬業界特有のデータやプロセスに対応し、研究・開発・製造・営業・マーケティングなど製薬企業のバリューチェーン全体におけるAI活用の推進と最適化を支援する。そのためのデータ分析基盤を提供する、同ソリューションは、上記バリューチェーンで扱うすべてのデータに容易にアクセスし、データ準備、解析・モデル化、およびそのモデルを実装することを可能とする。作成したモデルはViyaで管理、公開され、再利用もできる。

効率的な新薬の研究・開発におけるリードタイムの削減、製造・流通過程における品質管理の効率化、マーケティング・プロモ―ションの最適化といった課題に対し、迅速なAI活用を実現するという。