ビデオコミュニケーション中、プライバシーに配慮しながら感情分析

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック宣言以降、新しい生活様式が世界中で確立されつつある。いま、スマートフォンやPCを用いてするビデオコミュニケーションが、日常の様々な私的場面から授業、面接、会議や商談、セミナー、広報といった業務にまで浸透し、活発になっている。

一方で、非対面コミュニケーションは、対面のそれよりも相手の意図していることがわかりづらい、反応が掴みづらいといった課題があり、利用者のストレスも顕在化しているという。NECRealeyesは、今年7月に発表した協業の一環として、前者の生体認証映像分析技術と後者の感情分析技術とを組み合わせた、新たな遠隔コミュニケーション向けサービスを共同開発した。

21年1月にNECから販売する予定だという。同サービスは、PC・スマホ上のビデオコミュニケーションツールと連携し、利用者の同意のもと、プライバシーに十分配慮した用途において映像からその人の感情を分析――。ワールドワイドで180社以上に使われている上記感情分析技術を活用し、ビデオコミュニケーション映像からユーザーの興味や注目度など反応を分析する。分析結果はダッシュボードで一覧でき、ユーザーにリアルタイム共有される。

非対面でも、理解に不安がある部分などを即座に把握、察知し、その場で伝え方を工夫したり、発言を促したりして、円滑な対話とか会話の活性化に役立てられる。分析ダッシュボードを振り返ることで、主催者は会議構成やファシリテーション等を改善し、参加者は自身の反応をレビューして自己理解に活用するなど、各目的に合わせて様々な用途で活用可能だという。

両社は、Web会議参加者の感情分析からの感情変化把握が、主催者自身の進行の振り返りに役立つことを今年8~9月に実証。グローバルで3,600億円規模という感情分析サービス市場にて、トップシェア獲得を目指していく構えだ。